ちょこっとこぼれ話
弦の話が続きましたので、ちょっと休憩しましょうか。飽きちゃいますもんね。
なにかお飲物でも飲みながら、かる〜い気持ちで読み流していただければと思います。
あ、ボクですか。ボク、ピックです。ギターの弦を
ボクはギターパーツじゃないんですけどね。ま、こぼれ話ってことで、どうかお目こぼし下さい。
ボクらピックって、常にギタリストと行動を共にしてますから、色々見聞きしてるんですよ。
試しにね、野生のギタリストを見つけたら、身ぐるみはがして逆さに振ってみてください。絶対どっかからピックが10枚くらいこぼれ出てきますから。打ち出の小槌かってぐらいこぼれ出てきますから。
いや、10枚はさすがに多いか。それでも5〜6枚は持ってますよ、きっと。鞄や財布の中とか、上着のポケットとか。最近じゃ少なくなったけど、ピアスやチョーカーにしてる人も居ましたしね。なぜか、ブーツのバックルに挟んでいる謎の人も見たことあります。
そうそう、ライブなんかで、よくギタリストがピックを投げまくるじゃないですか。
あれね、普通にエイッて投げるんじゃなくて、人差し指と中指に挟んで手首のスナップで飛ばす方が遠くに飛ぶらしいですよ。こう、手を洗った後に手をブンブンってして水を払いますよね。あの要領で、客席へ向けて手首をピッと振るんです。そしたら、ピュ〜ンって遠くまで飛ぶんだとか。カッコイイですよねー! 中には3枚くらいいっぺんに飛ばす猛者もいるらしいです。
飛んできたピックを、客席からタオルで撃ち落としてゲットするファンを見たときは、感動しましたね。まるで、カメレオンが餌を取るかのようでしたよ。与える者と奪う者。こいつら、命のやり取りをしてやがる……なんてね。いや、そのときはボクもライブ中で興奮してたんで、妙な思考に走ってたんですよね。
それはそうと、最近ではライブだのコンサートもめっきり減ってしまって、弾く方も見る方にとっても、残念な状況です。
でもね、不思議なことに、楽器業界は好調らしいんですよ。少なくとも某ギターメーカーでは、ウン十万もする高額なギターがガンガン売り切れたって。「〇〇モデル」みたいな、有名ミュージシャン仕様のやつ。いわゆる、シグネチャーモデルですね。
別に、ギターをお揃いにしたからって上手く弾けるわけじゃないのにね。そこはそれ、ファン心理ってやつなんでしょうね。アーティストの方(と、メーカーさん)も嬉しいでしょうし、喜ばしいことです。
おうち時間需要なんでしょうか。若者のギター離れなんて一時期よく聞きましたけど、若い人も結構買っているみたいで。
これだけ聞くと、「日本のギター界の未来は明るいな」って思うじゃないですか。
ところが、ですよ。「世界のギター界の未来」はそう明るくないらしくて。こっちは、ギタリスト界ではなく、製造側の話です。
なんでもギターを作るための高品質な『 木 』が少なくなってきてるそうなんです。はっきり言って、既に「品薄」状態らしいです。
エレキギターって言っても、素材は木ですからね。よく鳴る木はそれなりに高価です。木目が綺麗だったりすると、さらに高価。それでも、欲しい人は大枚はたいて買うのです。
これから、材質の良いギターはどんどん入手しづらくなっていくと思われます。中古価格も上がっていくかもしれません。ですから、今ギターをお持ちの方は、大切にした方がいいと思います。
いずれ、高価なギターが骨董品みたいな扱いになるやもしれませんね。いや、今も既にそういう傾向はあるか。
コレクターみたいな人が良いギターを買い占めて、飾っておくだけ。もしくは、投資として買ってみたり。どうせ飾るだけなら、絵でも買ってろってんだ。
うっかり本音がこぼれちゃいましたけど、ピックの身であるボクにしてみればね、楽器は音出してナンボですよ。良いギターは良い音が出ますよ。安いギターだって、よく手入れしたらそれなりに育っていきます。たくさん練習すれば、ちゃんと応えてくれるんですよ。
僕らピックは、文字どおり身を削って、いい音響かせたいんですから。持ってるなら弾いてください。頼みますよ!
最後になりますが、上の方に書いた「野生のギタリストを見つけたら云々」ってやつ。あれは冗談ですからね? 本当にやったら、大変なことになります。
ギタリストって、普段から重いもの持ちあげてますから、結構戦闘力強いです。ギター振り回すのも慣れてますからね。武器として使用する人も少なくありません。ハードケースは盾にもなりますし。
あと、メ○ケンサック並みに殺傷力のありそうなゴツい指輪とか、いっぱいつけてる人も多いです。(あれ、指輪の重さで左右のボディバランスを調節してるって専らの噂。ヒソヒソ)
なので、あくまでも自己責任でお願いしますね。
あ、逆さに振ったらピックが出てくるっていうのは、本当ですよ。ギタリストの家にピックが1枚落ちていたらあと30枚は隠れてる、ってのが定説らしいです。
次の回ではまた3弦にお話を聞いていこうと思います。では、また。
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