第1話 雨の訪問者


「い、いい加減にしろ!この家は、もう俺の家なんだ!どんな死に方したか知らないけど、俺には、関係ないだろ!もう、二度と出てくるな!!」


声を振り絞って、そう怒鳴る。


それが正しかったのかは知らない。


いや、多分、正しくはないだろう。


確かに、気の毒な話だが秋彦にしては、迷惑な話である。


「…ごめんなさい。」


女は、一言そう呟くと、スッと消えた。


生臭い臭いも消え、後で確かめたが赤ん坊の姿もなかった。




翌日、会社へ行った秋彦は、洋子の肩をポンと軽く叩く。


「お前の言ったことは、本当だったかもな。」


「えっ?」


訳が分からず、洋子は、眉を寄せ、首を傾げた。






雨の日には、何か不思議なことが起こるかもしれませんね。






ー第1話 雨の訪問者【完】ー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る