愚者。

愚かな者だよ人間なんて。

自己愛に満ち満ちて

自己嫌悪に苛まれて

どっちつかずの生を

謳歌する。

楽しいのかな?

愉快さ。

愉しいんだろうよ。

だって

みーんな、みんな、皆、

笑っているもの。

嗤っているもの。

哂っているもの。

愚かしく、わらっているもの。

いつだって愉快さ。


酷く怯えている

その姿が

何とも、滑稽で、

慎ましやかで

いつも、わらう癖に

なんて、

醜いんだろうって。


酒に溺れた中年のように

非行に走る少年のように

若い女に騙される男のように

人間は

どうしてそんなに

飢えているのだろう。


肉はある。

肉屋があるのだから、

勿論、捨てる分さえある。


野菜も必ずある。

農家が居て、

八百屋が居るんだから

腐るほど、ある。


愚かだよ。人間は。

それだけじゃ心が

満たされないと

言うのだから。


楽しみが

飽和した社会では

まちがった正しさが

正解なんだって

みんなみんな口々に言い放つ。


「みんな」の「正しい」は

って。


それが喩え、間違いだとしても

「悪くない」って言われるんだ。

不思議だろう?


逆に刑務所から

出所した人が

少し

問題を起こせば

どんな事でも「悪い」らしい。


愚かだ。

実に愚かしい。

そうやって

人を言葉で

嬲る事も、快楽の内なんだから。


人間は。

生まれながらに

罪を背負っている。

存在そのものが

罪だ。


人間社会に生きれば

余計に罪は多くなる。


間違いひとつが

失敗ひとつが

全ては罪だ。


等しく、罪なんだよ。


許されて

赦されて


本当に罪が無くなったと思う馬鹿は


本物の愚者だろうよ。


まぁ、生きてる事を罪と思わない


大多数が


愚者となるのだけれど。

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