親子丼

「今日は俺が作るよ。」

生理痛で横になっていた私の代わりに、料理なんてほとんどしないあなたが台所に立つ。

包丁使えるの?

ケガしない?

食べられるもの作れるの?

言いたくても飲み込んだのに、そんな心配全然必要なかったみたい。

私の前に置かれたのは美味しそうな親子丼。

「本当にあなたが作ったの?」と聞けば、

「当たり前だろ。」と笑う。

一時期親子丼にハマっていて、自分でも作っていたのだそう。

全然知らなかった。

一口食べてみれば、とても私好みの味付け。

「美味しいね。」

素直な感想を伝えると、

「当たり前だろ。」

照れ臭そうに

「愛情がこもってるからな。」

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