8(静空side):静空の、ソンな日常
私は、前世に似せた肉体(どことは言わないけど、盛った)を魔法で作り、死神の世界(オコジョだったっけ?)を彷徨っていた。
……
てっきり、このまま
「なーにブラブラしてるのさ。
探すのに、無駄な時間かかったろ」
やにわに、上空から声。
続いて、私の前に、
「
どうして?」
「ちょっと話が
だのに、魂の転送先に
長ったらしい話は嫌いなんだ。単刀直入に言おう」
……
などと思っていると、いつも通り憎まれ口を叩いていた
「
君には、
……驚いたし、言わんとする主旨が
けど、憤りは
「どういう
「簡単な話さ。
君にはこれから、
そして、
それも、
というか、君には
さもなくば、歴史が変わってしまうからな」
「はぁ……」
ちょくちょく思っていたが、死神とは
まぁ確かに、死神って元々、契約の裏、穴を突いて、やりたい放題やってるイメージは色濃いが。
「君、てんで把握してないな?」
やれやれ感を全面に押し出しつつ、やや雑に、適当気味に
「この際だから、教えるとしよう。
そもそも、
というか、タイムリープと変装を繰り返し、家事は全て魔法で
っても、色んな時代に同時に派遣したホログラムを遠隔操作してただけだけどね」
……はい?
「えぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇ!?」
嘘でしょ!?
「そう。
一人残らず、君だ。
そもそも、そうでなきゃ色々と説明がつかないだろ?
主に、
「それは、まぁ……分かりますけどぉ!」
確かにね!
それなら、
だって、未来の私だもん!
けどさぁ!
「こんな、あっけらかんと、言います……?」
「そこら辺を、こっちに求めるな」
「そりゃ、役不足でしょうけど……」
「誤用してるぞ。
単なる褒め言葉に成り上がってる。
それより」
魔法で傘を作り、私のおでこを軽く突っ付きながら、
「君がずっと悩んでいたのは、『家族でもない人外の自分が、あの場に
それだったら、悩むまでも
そもそも君は、
「そりゃそうですよ……全部、私だったんですから……」
「細かいなぁ。
まぁ、そこら辺の事情は、面倒だから省くとして」
軽いな、
などと思いつつ、
「どうするんだ?
ちな、ここで君が断ろうものなら、あの屋敷をたった一人で任せられる使用人なんて奇特な存在は現れず、泣く泣く手放した結果、両親は別居し、そのまま離婚、二人を止められなかった君は敢え無くジサ「分かりました、やります、やれば
こんな無慈悲な脅し、聞いた
そもそも、あんな形で別れといて、シレッと帰って来るとか、傍迷惑にも
「
君は、悪女属性なんだから」
「少しはフォローしてくれませんかねぇ!?」
「
こっちに、それを求めるのは人選ミスだ。
シークにでも頼みなよ」
ここで名前が出て来ない辺り、
「それに、ケーゴの
最高の女を逃しちまったー、って」
「直ぐ行きましょう」
「ちょ待てよ」
急いで戻ろうとした私を、
ねぇこれ使い方、違わない!?
「その前に、君を育て上げる。
君に、ヒロインたる真髄を、五年かけて、みっちり叩き込んでやる」
「え〜!?」
「
ウルトラマ◯だって、一つ新フォーム習得するのに十年も掛けてるんだぞ?
君に直々に、あの唐変木を籠絡する
それ
「そうなんですか!?」
「そうなの。
で、どうする?
言っとくが、半端じゃないぞ?」
それは、まぁ……
「……死神の修行は?」
「自宅警備員になる
「合ってるけど、それ以上に間違ってません!?」
「それに君は、そのポジを鍛えた方が
あいつは、君みたいなベタなタイプに惹かれる傾向にある。
つまり、君がもっと、母性、女子力、貞淑さ、出来る女感、ひたすら都合だけの
「多いし、せめて生き残らせてくださいっ!」
「いや、よくよく考えると、あいつ生意気ってか恵まれ
火薬とか、煙突的な意味で」
「すみません。
「二万年早いぜ」
「あ。
今のは元ネタありきですね。
口調が違うので分かりました」
「ゼ◯の良さが見抜けるなんて、分かってるじゃないか。
気が変わった。しからば、教えてしんぜよう」
「やっぱ
いつもよりマシマシで長くなりそう」
こんな感じで延々と話せてる辺り、
まぁ大分、凸凹している気がするけど。
「あ、ごめんなさい、
その前に、行きたい所が
※
日曜日のお昼。
待ち合わせ中の女の子に、私は声をかける。
「こんにちは。
今、一人?」
腕時計型のスマホを操作していた彼女は、初対面を装う私に、屈託なく微笑む。
「あと少しで友達と落ち合う予定ですけど、それまでなら。
「ううん。
ちょっと、あなたとお話したくって」
「……すみません。
お姉さん、どこかで出会いましたっけ?」
「小さい時に、一度だけね」
頭に疑問符を浮かべる女の子。
「お〜いっ!」
すると後ろの方から、聞き覚えの
かと思えば、彼女の前でストップし、呼吸を整える。
「は〜い、
クレープ奢り〜♪」
「
てか、現役女子高生と同列に並べんなよっ!
こっちは、社会人だぞ!? 体力とかタイミングとか都合とか、
「言い訳なんて、大人気
「かーっ!
レスバばっか強くなりやがって、小娘が!
っくしょー! 覚えてろよ、バッキャロー!」
思った通り、宝○みたいな雰囲気を醸す女性は、私の親友の一人だった。
追って、バリキャリ風の女性と、小柄な
「
おはよう、です……。
本日は、お招き頂き、ありがとう……です」
「久し振りね、
ところで、その人、誰のゲスト?」
「あー、えとぉ……。
この人は、そのぉ……」
説明に困る彼女。
そろそろ、引き際かな。
「ちょっとお話してただけです。
気にしないでください」
「はぁ……」
掛けていたサングラスを胸に仕舞い、ジロジロと私を見詰める
変装してるとはいえ、
「トモハ。
対応に困っていたら、同行者の
彼女は、私達を一通り見た
「まーた若い女の子に声掛けてたでしょ?
そろそろ
補導されても知らないよ?
ま、
「ちょ、ちょっとぉ!
その言い方は、
私は、ただ、その……
「吃驚させちゃって、ごめんね?
約束の人がルーズな上に気まぐれだったから、退屈凌ぎに付き合わせちゃった」
ウインクし、手を合わせ、お茶目を装うと、やや
「ううん♪
私も、お姉さんと話せて、楽しかったので♪」
……その笑顔を見て、心から安心した。
私の願いは、十五年の歳月を経ても、変わらずに叶い続けていてくれているのだと。
まぁ後ろで、
「じゃあ、そろそろ行きましょうか。
最近、美味しいスイーツバイキングのお店、見付けたのよ」
「っしゃあ!
腹が鳴るぞ!」
「『腕』みたいに言わないの」
「出発進行、オー……です……」
先導する三人。
少し遅れて追いかけようとした
「ねぇ。
あなたは今、幸せかな?」
少し困惑した
「見ての通り♪
またね、お姉さん達♪」
そう言って、こちらに手を振りながら
「……良かったの? あれで」
四人が
「もっと他に、聞きたい
「……い〜〜〜〜〜っ杯!!
でも、もう平気です。
「
「色々、
いつも通り
大丈夫。
私達は、大丈夫。
だって、もう、一人じゃないから。
「ところで
「……
言っとくけど、今度は助けないからね」
「決まりですね♪
じゃあ、
「拵える腹が、どこにあるのさ」
「
「
こんな調子で、成立してるんだか分からない会話もしつつ、私達は一路、スイーツバイキングを目指すのだった。
※
「でさ、でさ!!
もう
紅茶とかスコーンとか主食にさっ!!」
……主食は、エナドリとカロメ、もしくはコーラとポテチです。
あと全然、優雅じゃないよ。『締切死すべし』って鉢巻き付けながら、暑苦しく仕事してるよ。
いや、死なないよ、死ぬ
何度でも蘇るし、やって来るよ、現実見ようよ、頑張ろうよ。
「休みの日って、何してるのかなぁ!!
……『
あと
そもそも、『
「
どうかした?」
「う、ううんっ!
気遣い屋の
私は今、死神御用達の喫茶店『
って言っても、家事手伝いは基本、魔法で済ませてる(料理は別)し、
正直、ホッとした。だって
「でも、確かに凄い、です……。
『イデアルス』……。
たった五年半で、
「だっろぉ!?
「
「はぁ!?
二人に教えたの、誰だっけぇ!?」
「
「……だっけ?
いやー、すまん、すまん」
と、
「そっ。
だから、
分かったら、ちゃんと座ってなさい。お行儀悪い」
「はいはい、分かりましたー」
そんな中、ちょっと怖がりつつも、
友達としては失格かもだけど、その
「ところで……イデアルスって、どういう意味なん、です……?」
「多分、『理想的な芸術』って事じゃないかしら。 確か、『イデアル』が『理想』、『アルス』が『芸術』って意味だから」
「おぉっ!
出来る女!」
「うふふ。ありがと。
もっと褒めて」
惜しい。
実はあれ、ダブル・ミーニングだったりする。
本命は、
要するに、彼女の言葉を借りるなら。
『ク○シャゲ、死ね!!
っていう、死刑宣告だったりする。
イデアルス。
それは、五年前に創設されたソシャゲ会社、及びソシャゲの名前
「グラフィックやDLC、課金にばかり尽力する」ゲーム会社を根絶やしにする為に作られたイデアルスは、本人曰く。
・「戦闘だけで最終レベルまで容易く上げられる(素材が不必要)」
・「完全、無課金制」
・「シナリオ、イラスト、音楽、ゲーム性、そのどれもが至高」
・「昼と夜に毎日、無料で十連可能で、キャラやランクを絞れる」
・「余分なライフは回復アイテムに自動で変換」
・「キャラが豊富な上に声と演技も秀でている(声は社員が当てている)上に、エディット可能」
・「期間限定のイベント·キャラも無し」
・「RPGやアクション、シューティングやカード、パズルや格闘、レースや音ゲー、シミュレーションやアドベンチャーと、様々な形で楽しめる(
・「18禁も有り」
・「神作画のアニメ、楽曲多数」
・「画面が縦、横に自由に切り替えられる」
といった具合に、ポテンシャルが半端じゃない。
そんな
まぁ……そもそも、勝てる
だって、シナリオを担当しているのは、前世で稀代のクリエイターやってた人だから。
そして、シナリオ以外の分野は、
相手が悪いというか、文字通り異次元というか、ご愁傷様というか……。
そんなこんなで現在、イデアルスは、そのメンバー構成も不明(ていうか、社長しか
結果、残ったソシャゲは、
余談だけど、『
「お待たせ致しました」
話に華を咲かせていると、不意に店主、そして唯一のスタッフである男の人が、四人分のケーキを持って来た。
瞬間、割と面食いな
そういえば
まぁ、熱し易くて冷め易いから、特に心配は要らないんだけど。
「ありがとうございます。
し……ぐれ、さん」
咄嗟に付けた
相変わらず、天然ジゴロだなぁ。
彼に『吾郎』さんっていう名前を付けた私の判断は、きっと間違ってないと思う。
「いえ。
ごゆっくりどうぞ、
「も、もうっ!
……
同じく即興で加えた、『元々、
だから、こんな風に
それはともかく、だ。
特訓を受けつつも、息抜きの
それはつまり、私が彼女の正体を知ってるのに隠蔽し始めて、それ
そろそろ、打ち明けたい。「その社長、全然、そんな感じじゃないよ」「知り合いだよ」って。
でも、私が言った所で、きっと信じて
五年前までの家族はさておき、私達の築いて来た関係は本物だし、
だって、もし私が逆の立場だったら、
となれば、当人を連れて来るのが、最短ルートだ。
けどなぁ……。
あのキャラな上に、普段から「生前の友達とはいえ、
「協力してくれるかなぁ……
「……
あなた今日、ちょっと
「……」
……どうしよう。
やっぱり、ぼちぼち限界みたい。
※
「えーっと……ここ、かな?」
面と向かって話すべきだと思い、
『……いずれ分かる。分かりたくなくても。
って返された。
どういう意味だろう?
ていうか、人間との接触は避けるべきって、あれ程、口を酸っぱくして言ってたのに……。
もしかして、次の
いや、でも、それっぽくもないんだよなぁ。
まぁ、私が定期的に相談に乗ったり、手伝ったりもしてるから、っていうのも有るんだろうけど。
真意、真相はさておき、目的地に向かうと、
ごめん、
それはさておき。
彼女は今、庭でワンちゃん(可愛いっ!!)と遊びつつ、いかにも人の良さそうな老夫婦と話していた。
この人達が、高石さんご夫婦かな?
「……
どうしたの?」
「う、ううん。
ちょっと
「
彼女に劣らず、可愛いねぇ」
「お父さん?」
「良いじゃないか、これ
君、名前は?」
「あ……は、はい。
初めまして。
「いや……
「えと……何となく?」
「何それ」
かっ……
UR認定待ったなしっ!!
そういえば、なぜか分からないけど、お二人やワンちゃん(やっぱり可愛いっ!!)と一緒に居る
それ
……羨ましい。
「
友達が急用みたい。
また、顔出して、良い?」
「ああ。
いつでもお
「そうそう。
また
あの子、恋人のあなたにばかり押し付けて自分は、てんで梨の
「……言ってだけ、みる……」
「トモハ?」
名前だけだと、男の人か女の人か、分からない。
やっぱり、人間かな? 高石さんの息子さん?
それとも、もしかして、二次元だったりするのかな?
……まぁ……それならそれで、受け入れよう。友達だし。
心を強く持とう、うん。
今、多様性の時代だもんね。
……あれ?
確か前にも、どこかで、その名前を聞いたよーな……。
「……何、決めるぜ、覚悟してんの?」
「
「気にすんな。君にはまだ早い。
ウル銀も観てない君には、ね」
「またそうやって、
って、あれ?
何だか
どことなく、
どうして?
「あ、あの、さ……。
こうやって、こっちを遣わしてだけど、二人に仕送りとか、してるし……。
友達だって、ちょっと頼りないけど三人、出来た、から……。
だから、その……そんなに心配しないで、大丈夫、だから……。
「……?」
普段はクール、饒舌&毒舌な
「そうかい。
だと、
「
二人共、達者でね」
「……うん。またね」
そのまま
私も少し遅れて二人に会釈し、高石家を出て、彼女を追って少しだけ走った。
「
色々、聞き出そうとした私は、目の前にいた
彼女は、泣いていた。
その顔は赤く染まっていて、
「……何?」
声をかけられ我に返った私は「う、ううん、何でもっ!」と、これ以上は詮索しない
「……そ」
と、
その頃には、いつもの
「……要件は?」
「え?
……聞いてくれるんですか?」
「特別に、ね。
今、ちょっと
気が変わらない内に、早く話しな」
「……はいっ!!」
やっぱりあなたは、何だかんだで、
天の邪鬼な死神だけどね。
※
って!
そう思ってた時期が、私にもありましたぁ!!
「
もう、
もう限界、
羞恥に耐え切れず、私は懇願した。
しかし、
「何さ。もうギブ?
まだ、
百八着は撮るんだから」
「単位っ! 単位、おかしい!
「ごちゃごちゃ言うな。
君が言ったんだろ?『会ってくれたら、
「条件がこんなだなんて、聞いてないっ!」
「いや、聞こうよ、聞いとこうよ。
危ない
今! 絶賛! 危ない人に、引っかかってます!
ていうか、あなたです! あなた本人こそが、危ない人です!
「そもそも
イエスともノーとも言ってない顔してただけ!」
「傑作だったろ?
どっかのアイドル強者も唸るだろうさ」
「
てか結局、私がずーっと、お話してたじゃないですかぁ!
終いには、生暖かい目で見られてたじゃないですかぁ!
忘れない。
だって、初めてだったもん。
三人……取り分け、いつも冷静な
「だろうね。
でも、これも君が言ったんだろ? 『会ってくれるだけで
こっちは、それに従っただけだ。非は無いよ。
設定もプロットもシナリオも詰めなかった、君が悪い」
「
証拠の一つや二つ、見せてくれてもよかったじゃないですかぁ!」
「
てか、少し黙ってなよ、被写体。
君だって、ポロリはしたくなかろう?
こっちだって同じだ。
「
……ひとでなしぃぃぃぃぃっ!!」
「そりゃ、死神だし」
改めて思い返しても、やっぱりおかしいよ!?
それも、際どいのばっか!
水着とか、チャイナ服とか、サンタさんとか、浴衣とか、メイドとか、バニー・ガールとか、ナースとか、警察官とか、テニス・ウェアとか、巫女服とか、セーターとか、レース・クイーンとか、チアとか!
カットもおかしいし、ポーズがアレだし、スリットも多いし!
幾ら女の子同士でも、
何より!!
「第一、
「
「
てか、だったらどうして、こんな意地悪、するんですかぁっ!?」
「ケーゴが半年で辿り着いた真実に、五年経ってもゴールしてない君が悪い。
まぁ……いつまでごねられるのも
そろそろ、食事にしよう」
「えっ!?
「ああ。
スイーツも有るよ。
手ブラってんじゃなんだしね。
この
タオルも渡そう。
それなら、どう?」
「ま、まぁ……それ
この時の返事を、私は数分後、激しく後悔する事になる。
彼女の言った
確かに、食事、スイーツ、手ブラ、リボン、エプロン、タオルだった。
違うのは、私達の見解、認識。
私は、まだ気付いていなかった。
彼女の、この発言の裏に隠された、恐ろしい計画に。
まんまと思惑通りに動かされた事に。
まぁ……要は、もっと過激な
それはもう、この場に
「もう……もう、
死んじゃう……。恥ずかし過ぎて、死んじゃうぅ……。
うぅ〜……」
「おっ。
ゾクゾクするねぇ。
程良い嗜虐心が溢れて来るよぉ」
「〜っ!!
……ドSゥゥゥゥゥウゥゥゥゥ!!」
結局、次からは
この事件で、彼女との関係を見詰め直し、私から
だって、要求はアレだし、口では勝てる気がしないし、何を考えてるかも正直、よく分からないし。
友達、止めよっかな。いや、割と本気で。
※
「……ん、んぅっ……」
自宅で
そのまま
……疲れた。
今までの中で
まさか
私も私だよね。
お
もうあんなの、二度と御免……。
「……どうせだったら、
私は唐突に我に返り、ブンブンッと顔を横に振った。
そこで
もしかして、着信音やバイブで起きたのかな?
「……
疑ってかかりつつ、私はスマホを取った。
時刻を見ると、まだ深夜。
この時間に送って来る
となれば、四択かぁ……。
「ーーえ?」
結論から言うと、届いていたのは
でも私は、その内容に触れるよりも、そして片想いの相手からの、再会してからの初メールに舞い上がるよりも先に、その日時に目を疑った。
送られて来たのは、何と、今から五年も前。
それも、私が
※
過去の
「どう?
変じゃない、かな……?」
「ああ。
とても似合ってるよ」
「ええ。
素敵よ、
「
家族からお墨付きを
同性だから、普段はママや
だって、今日は特別な日……大好きな人と、結婚式で会う日だから。
まぁ……厳密には、ちょっと違うし、その内容に関しては、まだ色々と半信半疑な所が有るんだけど……。
だって、ねぇ?
いきなり、あんな衝撃的な事実を連続で明かされても、
ただでさえ、あんな大事件の直後だし……。
向こうも大層、驚いてたなぁ。そりゃそうだよね……。
「
思い出し、赤くなっていると、ママを不安にさせてしまった。
いけない、しっかりしないと。
「……
平気♪」
私は、咄嗟に笑顔を作り、気丈に振る舞った。
私……ううん。私達だって、まだ半信半疑なんだし。
それに、目の前に
「じゃあ私、行くね!
友達、待たせてるから!」
そう。あくまでも、友達の結婚式。
三人、そしてこの時代の
じゃないと、過去の
三人にサムズアップし、私は意気揚々と
今日のミッションは、三つ。
どれもこれも、一筋縄じゃいかない、けれど大切な物。
「えい、えい、おー!!」
と
主に、ただならぬ不信感が漂いつつある、友達の為に。
※
って!
そんな事を考えたのが、大間違いでしたぁ!!
「うわぁぁぁぁぁんっ!!
私は彼に、
それはもう、彼の手を握り、ウルウルした瞳からキラキラ光線も放ち、
なのに……!! なのに、なのにぃっ!!
どうして、こうなっちゃうのぉっ!?
「仕方ないだろ?
「違うもん、違うもん、そうじゃないもぉんっ!
私、今度こそ間違い無く、
「だが、それは間違い! 嘘である。
彼女が救いを求めたのは、
「ややこしいっ!!」
「君は、
それより、ほらぁ。ちゃーんと利子付けて、体で払って貰わないと……ね?」
「
嫌い、嫌い嫌い、嫌いっ!!
大っっっっっ嫌ぁぁぁいぃっ!!」
……やっぱり、間違ってのたかな?
こんな
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