7:天良寺 睛子の凱旋
「お兄ちゃーん。
ボールー」
庭で両親と遊ぶ少女を見ていた俺は、彼女がボールをこちらの方に飛ばしてしまうのを見ると、
「ほら。
今度は、気を付けろよ?
俺だったから、何も起こらずに済んだんだからな?」
「はーい♪
優しいお兄ちゃん、ありがとー♪」
ボールを手渡しされた少女、
どうやら、俺のありがたーい言葉は、もう忘れてしまったらしい。
「ロリコン」
「だから、違うってんだろ!」
ジャングル・ジムに体を預けつつ、絶賛トランス・ミッション中の
「てか、今日からだっけか? 新しい使用人。
「別に、分かる必要が無いから。
だってケーゴ、もう知ってるし」
「あぁ?
そりゃ一体、どういう意味だ」
「こういう意味ですよ。
ふと、春風と桜に乗って運ばれた、甘く優しく綺麗な声に、俺は心を打たれ、撃たれた。
「ーーえ?」
突如、俺の目の前に現れた彼女は、
結果、
「?
お姉ちゃん、だーれー?」
唯一、この場で彼女を知らなかった
女性は、親しみ易い笑顔を維持しながら、スカートを隠しつつ屈み、
「今日から、新しく
「?
うん♪ 宜(よろ)しくー♪」
よく分からないまま、彼女を受け入れる
「初めまして。そして、改めまして。
今日から、そちらの使用人となります、
俺達の前に現れた女性ーーあの頃より大人びた姿をした
「しず……く……?」
「……
ややラグってから、
「
「理由は簡単。
その子、ずーっと使用人だったの。
だから、好きに姿を変えられるし、どでかい屋敷の掃除も
そうする
それが死神、
あと、タイム・パラドックスの心配とか、無いから。
SFじゃなくてファンタジーだし、そもそも人間の常識、理解の範疇なんて
つまり、その……
「お前……さては、最初っから?」
「知ってたよ。当然じゃん。
でも、それをケーゴに教えちゃうと面倒だから、黙ってた」
「予想通りだよ、このカス美!
何もかも、お前のシナリオ通りだったって事かぁぁぁぁぁっ!?」
「そ。
何せ、五分もかけて作ったし」
「短っ!?
五・分!?
俺が十ヶ月にも渡って苦労し、慣れない彼氏役も勤めて、タイム・トラベルまでしたってのに!?
「
その分、気ぃ遣って、五年後まで一気に送ってやったんだから」
「道理で、
あんたも、あんただ!!
そうならそうと、早く言えよぉっ!!」
「ごめんなさい、
あと、まだ生きてた頃の私に、全力で余生を満喫して欲しくて♪
てへっ♪」
「許すっ!!
全力で、許ぅぅぅぅぅすっ!!」
だって、
可愛いんだもん!!
「男って、
「お ま え が ゆ う な」
何ちゃっかり、そっち側に行ってやがる!?
偽装してる
「じゃあ……じゃあ、これからも……」
「一緒に居てくれるのか!?
「
て言っても、弟や妹に気付かれると
そもそも、もう私、人間じゃないし、魔法を使わないと、年も取れないけど……。
それでも、
「
おかえり、
「ええ!!
おかえりなさい、
「んー?
良く分かんないけど、おかえりー♪ お姉ちゃん♪」
「おかえり、
全員が彼女を迎え入れ、まだ続いていない俺に視線を浴びせた。
揃いも揃って、順応性の高い方々ですこと!!
「
あのぉ……」
「……あー、
分ぁってんよぉ」
ボサボサと頭を掻いてから、まだ完全に納得してはいないものの、俺は精一杯、思いを乗せて言った。
「おかえり、
色々、言いたい事は有っけど、それ以上に……。
また会えて、素直に
ブスッとしつつ俺が告げると、
「……ただいまっ!!
そして……これからも、
※
とまぁ。
最後にサプライズは有ったが、それ以外は俺のプラン通り、順調に進んだ。
のは
「あーっ!!
狡〜い!」
「
って、こらぁぁぁぁぁっ!!
お母さんかっ!」
「
そういう仕様なんだからー」
「こうなったら……リアル擽り攻撃だぁぁぁっ!!」
「きゃぁっ!
「いや、何してんだよ、
何、メイド服来た状態で、サルバト〜◯に興じてんだよ、あんたっ!?
「えー?
だって、仕事は魔法で
「
で!? その格好の意味は!?」
「単純に、
「甚だ眼福ですご馳走様です本当にありがとうございますぅぅぅぅぅっ!!」
……
俺だって、男だもん。
「
「だから、お前が言うな」
「ふっふーん……
「ぎゃぁぁぁっ!!
どこ触ってんのぉぉぉっ!?」
「……」
神様、仏様、
俺は一体、いつになったら、もっとクールに、スタイリッシュに、楽に、
「無理だよ。永遠に」
「です♪
何たって、
「死神ってより、『
「確かに!
でも、少し荒っぽいですねぇ」
「じゃあ、『die-early《ダイアリー》』ってのは?
造語だけど、『
正確には、
「
じゃあ、今日から
「心を読むな、勝手に話を進めんな、あれこれ決めんなぁぁぁぁぁっ!!」
どうやら、俺と
「ところで、
「この方が、
「採用&最高ぉぉぉぉぉっ!!」
「やたっ♪」
「……スマブ◯すっぞ、ケーゴ。
お前、サンドバッ◯くんな?」
「せめてプレイアブルにしろっ!!」
「
「死にませんー。
死神ですから、死にませんー」
「予定変更。
究極鶏◯な。お前、ハンデマシマシで」
「ちったぁゲームクリエイターのプライド保て、おらぁ!!」
「あ。じゃあ私、衣装選びますねー♪」
……
こんな調子で、死神とか、
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