魔王軍尖兵の日誌

魔王から命令を受け、いざ出陣!待っていろよ・・・

ダンジョンのアメニティ補充!


品出しはスムーズに、勇者一行が居ない事を確認して行わなければならぬ。

宝箱にもお楽しみ要素を込めて、初回特典は

魔王軍特製回復薬を進呈するのだ!


そうして冒険者達を楽しませる為のモチベーションを上げ

倒されたアンデッドの修復ついでに声出し訓練も欠かさない。


はいもっと腹筋が腐ってる感じの腑抜けた声を出してー。

あんまり雄々しいとレベルが高いヤツだと勘違いされて

駆けだしの冒険者が逃げ出してしまう事もしばしばだ。


飲み会ではアンデッド物真似がバカ受けしてるんで

こういう危険な仕事から一線を退いてお笑い芸人になろうかな。

と思う今日この頃ではあるが、魔王はかなりお笑いに厳しい人だ。


・・・こうやって意味深に死んだ冒険者のそれみたいなメモ書きを置いて

血糊を塗っておいて、ちょっと!そこのアンデッド君!そんなんじゃ甘いよ!



もっと驚かせる方向性で行かないとダメなんだから

もう、メモ書きのおいてある机の横のロッカーに隠れるの!

冒険者が読み終わったぐらいのタイミングで出てくるんだぞ!

終わったらまた動けるように修復してやるからな。


そう。冒険者達のダンジョンはアミューズメントパーク。

魔王軍で要らなくなったモノを置いておくだけで

受注するギルドと結託してお互いに大儲け。

廃棄のコストが掛からず環境にも優しいステキ仕様だ。


何より良いのは魔王の計らいでダンジョンへの来場数だけ

俺の儲けが増えるって寸法だ!

あれは忘れもしない。入社式で俺なんて名無しの兵隊なのに

「この仕事、ぶっちゃけキツいが辛かったら配置換えもある。

頑張った分、報酬と休日を与えよう」

と魔王様に言っていただいたのは本当に励みになった。


本当に冒険者の命が掛かる様なクエストは

俺の管轄外だったりするが


ひとまずは冒険者をコワがらせるのが俺の仕事。


魔王様も「勇者が強くないと張り合いが無いからな」

って言ってるし、これからも頑張りまーす!


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