第6話 【遭遇】
朝 目を覚ますと、フジャーが果物や木の実をくれた。
今日は、フジャーと他の
そう言えば、フジャーは
また今度 聞こう。
4名が迎えに来てくれた。
真っ白な毛並みのリム
白地に灰色の縞のサアド
白地にこげ茶色の縞のテア
真っ黒な毛並みのコア
ちなみに、フジャーは色で言うと黄土色。
毛の長さは、リムから順番に長い。
リムはペルシャ猫みたいな毛の長さだ。
フジャーは柴犬くらいかな。
みんな小学生高学年くらいの身長だから、凄くかわいい。
もちろん、モフモフしたい。
当然 我慢!
ちなみに、
その個体の特徴を示すもので、白い飼い犬に【シロ】と名付けるのに似ている感じだ。
そもそも、フジャーは言葉で自分をフジャーとは言っていない。
人間と同じ発音は難しい様で、言葉と言うよりは、唸り声の様な感じだ。
でも、私が「フジャー」と呼ぶと解ってくれる。
これで、意思疎通が簡単になる。
危険な獣に遭遇して、4名の中の誰かが気が付いて教えようとしてくれても、それが私にだけ伝わらなかったら危ないからね。
先ずは、森の中に進むみたいだ。
一緒に散策をしながら、フジャー達は食料を集めるらしい。
どんなのを採るんだろう?
森の中に入ると、早速 何かを採りだしている。
背丈が腰くらいの高さの木になった果実だ。
見た目は真っ赤なブルーベリー。赤いからブルーじゃないけど。
採ったのを私にも分けてくれて、食べろと促される。
「甘い!イチゴみたい!」
5分ほど採ったら、移動を始めた。
[ここ ある 食べたい 食べる]
「あ、食べたい時に食べて良いのね。ありがとう」
あ、確かに蛇やトカゲみたいなのいる。
日本に居るのと同じくらいの大きさだけど、毒が有るのか私には解らないから、怖い。
地球のと違いが有るのか気になるけど、怖くてしっかり見れない。
離れない様にフジャー達に着いて行く。
あ、ウサギ?地球のウサギによく似た動物がいた。
コアが弓を構えてウサギ(に似た動物)を射った。
上手い。きれいにウサギ(に似た動物)の胴に、矢が突き刺さる。
コアが、動かなくなったウサギ(に似た動物)を取りに行っている間に、他の4名は、キノコにそっくりなのや何かの若芽や木の実を採ったり拾ったりしている。
もっと奥に入って行くと、蜘蛛の巣かな?あ、やっぱり蜘蛛みたい。その巣の糸が、沢山沢山 張られている先に、水が流れる音がしていた。
小川だ。
小さなカエルやトカゲみたいなのが、沢山 岸にいる。あ、大き目の蛇そっくりなのもいる。
水の中には、小さなエビっぽいのや魚みたいなのが、沢山 泳いでいる。
えっ!?よく見るとカエル!大きなニワトリくらいのサイズのカエルみたいなのが沢山いる!
えーーーーっ!?フジャー達が、めちゃくちゃ喜んでる。
みんな素手で採りまくって、大きな大きな袋に詰めている。
多分 食べるのよね?やっぱり食べるんだよね?
さっきのウサギみたいなのと、大きさがそんなに変わらないものね。
うん。今から晩御飯の覚悟をしておこう。
沢を渡って、向こう岸の大きな岩の上で休憩していたテアが、何かを見付けて焦っている。
[声ダメ ダメ 音ダメ ダメ]
声を出したり音を出したらダメらしい。
[みんな コッチ みんな コッチ]
テアの手招きに従って、テアの居る大岩の上に行く。
大岩の上に登って、テアの視線の先を見ると、
えっ?マジですか?えっ?マジですか?えっ?マジですか?
信じたくない物が見えた。
恐竜の様に大きなトカゲがいた。
いや、もう恐竜って言って良いんじゃないかと思う。いや、もう恐竜って事で…
いや、形からすると、巨大ワニ?トカゲの姿の巨大ワニ!
体長が5メートルは、絶対にある!
小川を渡った先の森の中で、動かないでいる。
ここから100メートルくらいの距離かな。
気が付かれたら、絶対にやばいのが解る。
襲われたら絶対に死ぬ!
みんな息を殺して巨大なトカゲが動かない事を確認し、これからどうするか相談を始めた。
テア[かなり 採れた 戻ろう]
フジャー[動く 危ない まだ ダメ]
リム[ここ わかる 食べられる]
フジャー[いなくなる かも]
コア[動いてない 逃げる]
フジャー[動いてない そのまま いいかも]
サアド[ゆっくり 逃げる]
フジャー[わかった 逃げる]
逃げる事に決まった様だ。
その時 巨大トカゲに迫る、もっともっと巨大な黒い影が現れた。
トカゲの尻尾の方から、ゆっくり迫っている。
それに気が付いたみんなが固まった。
巨大な蛇だった。何メートルあるんだろう?少なくとも10メートルは楽に超えてる。
20メートルはあるだろうか?小さく考えても、その位の大きさはある。
巨大トカゲが小さく感じる。蛇は胴回りだけで、ドラム缶程の太さがある。
化け物だ。怪獣だ。大蛇だ。凄まじくやばい奴だ。
逃げる事にしていたみんなが、恐怖で動けなくなっている。
超巨大大蛇は、巨大トカゲに巻き付き、一瞬で絞め殺した。
凄い音がした。「バキッ!ゴキッ!ボリッ!」もう巨木が折れるかの様な音を出しながら、巨大トカゲは締め殺された。
それを、頭から丸呑みしている。
テアが、カエルみたいなのを入れていた袋を、岩の上から落とした。
ドスッ
やばい。音が出てしまった。
・・・
私も含めた、みんなの目が、超巨大大蛇の目と合った。
完全に気が付かれた。
逃げなきゃ……逃げなきゃ……逃げなきゃ……
でも、動けない。恐怖で足が動かない。
でも!動かなきゃ!
恐怖を振り払い、何とか逃げようとする。
あ、みんなは動けないでいる。
でも、みんな動かない。ううん。動けないでいる。
巨大トカゲは、もう半分は呑み込まれている。
全部 呑み込み終わったら、あの超巨大大蛇が、どう動くのか解らない。
もしかしたら、襲ってくるかも知れない。
「今の間に逃げるのよ!」
固まって、まるで蛇に睨まれた蛙の様な、みんなに逃げる事を強く求める。
カチリ と何かが自分の内側で噛み合った感じがした。
糸の様に細かった繋がりが、極太のワイヤーで繋がり直された感じだ。
フジャー達が動き出した。
また力が発動したのがわかった。
これは、取り憑いた相手を、自由に操る力だ。
「みんな ゆっくり逃げるよ」
「このまま居ると危険だからね」
ゆっくり大岩から降りる様に操る。
これまで採った物を忘れない様にね。
巨大トカゲは、完全に尻尾まで呑み込まれた。
まだこちらに来る感じはしない。
さっきまで採っていた、多分
超巨大大蛇は、しっかりとこちらの様子を見ている。
ゆっくりゆっくりと、超巨大大蛇を意識しながら、その場から逃げる。
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