第3話 【能力】
その巨大な樹は、あまりにも巨大過ぎて、近くでは
AIの声の様に無機質な抑揚の無い声が聴こえてきた。
《私はナビゲーター》
《必要な情報を伝えます》
《私に質問されても返事は出来ません》
《与えられた
《与えられた
《この世界には地球の人類と同じ姿の人は存在しません》
《地球の人類とは姿が異なりますが 知的生命体 は存在します》
《この世界では知性が高い生き物ほど長寿です》
《あなたには寿命は存在しません》
《ナビゲートが必要な時に私は話しかけます》
淡々と話していた声は聴こえなくなった。
また聴こえてくる事があるらしい。
言われた様に目を閉じてみる。
生きる事に特化した能力ばかりだった。
・傷を癒す力
・水を作る力
・火を出す力
・風を起す力
・土を操る力
・光を生む力
こんな魔法の様な
この6つ以外に禍々しさを感じる
・分体
・憑依
・使役
・念動
これらは最初の6つの力とは違い、どんな能力なのかよく解らない。
《その4つの
「えっ!?与えられたものじゃないならなに!?」
返事は無い。
仕方が無いので、試せる力を順に試してみる。
水が欲しいと掌に力を込めたら水が湧いた。
「本当に使えた!」
その水で喉を潤す。
薪を集めて、それに掌を向けて、力を込める。
炎が出て薪に火をつけた。
「火起こし要らず!」
これならどうかな?
薪に向かって掌をかざして、より力を込める。
風が空気を送る。
「おー!よく燃える!」
更に掌を薪の周囲に向けて力を込める。
すると、薪の周囲の土が盛り上がって、簡単な
「異世界に来たのか…」
色々と試している間に、日が暮れてきた。
空に向かって掌をかざして力を込める。
光が周りを照らす。
「こんな事も出来るんだ…」
禍々しさを感じる
「それにしてもお腹が空いたな」
そう言えば、私は死んでからずっと何も食べていなかった。
真っ暗になった空を見上げると、2つの半月の月と、降ってきそうな程の星空だった。
「私は生きてる」
明日は何か食べ物を探そう。
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