第2話
女は惚れやすかった。
達観していたというかマセていたというか…
女に初めて"彼氏"という存在が出来たのは小学校5年生くらいの頃だった。
ずっと付き合っていたカップルが別れ、
自分より背が低く、頭が良かったその子を
女は"欲しい"と思った。
今まで仲が良くて一緒に遊んだりふざけたりしていた"友達"は"彼氏"になった。
女の惚れる基準は凄ぶる低かった。
優しい人、自分と対等に接してくれる人、乱暴じゃない人
最後のやつは確実に父親の影響だろう。
当時他の子達より背が高く力が強かった女に立ち向かえる男たちはそうそういなかったが。
顔は余程不潔でもない限り意識したことすらなかった。だからこそ、少しでも優しくされれば、すぐに恋に落ちて片想いをするようになっていた。
けどそれも刹那のこと。
自分の容姿に自信がなく、流されやすい女は自分の全てに自信がなかったから、そんな自分を、自分だけを愛してくれる奇特な人が欲しかっただけ。
それは20年以上たった今でも変わらない。
要は"自分だけの特別"が欲しかったのと、そんな幸せを手に入れている周りが羨ましいだけなのだ。
枯らしてやろう かのぶん @bun_kano0109
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。枯らしてやろうの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます