第6話 死闘・・・そして
「ふぅー、30分かぁ。
思ったより時間が掛かったな。」
ステータス画面の左下に時間表示がある事に気が付き、確認しながら歩くこと30分で目的のはじめの森に辿り着いた。
「まずは、応急手当を覚える為に必要な薬草を探さないとな。」
薬草を探しては採取、探しては採取を繰り返し。
折見かけるプリンとの盗虫の卵を倒しながら進んだ。
盗虫の卵は、孵化するとGの大きい版になるので見掛けたら潰した。
食べ物関係を荒らすので積極的な討伐がギルドから出てたりもする。
いい具合にLVも上がり、薬草やドロップ品も集まったこともあり、帰ろうした時に森の中から音がした。
キューーーキューー♪
キューキュキューーー♪
そして、真っ白な少し大きめのウサギ型のルナラビットという魔物が2匹現れた。
ノンアクティブで穏やかな性格、見た目の可愛さから女性に人気があった魔物だ。
ただ、農産物特に人参への被害から(略)
「悪いけど狩らせてもらうよ。」
こちらを見てはいないが、ピョンピョンと素早く跳ている。
ルナラビットに攻撃を仕掛けた。
しかし、動き回るルナラビットに攻撃が定まらず、少し毛先を切るだけという何とも情けない結果から、今後のアキラの行く末を変える事になる戦いの幕が切って落とされた。
「チッ、思った以上に速い!!」
キュッキューー!!
キュキューーー!!
「なぁ!?何で2匹とも攻撃してくるんだよー!!」
僕が驚いたのには訳があった。
ゲームだとルナラビットはリンクしない魔物の筈なのだ。
つまり2匹居ても片方しか攻撃しなければ、攻撃された方しか向かって来ない筈だったのだ。
2匹の巧みな連携攻撃に思うようにダメージが与えられずにいた。
キュキューー!キュッキュ! ブシュ
キューーー!
相手からの攻撃が3回当たる間に、運良くナイフでガードした所に飛んできてカウンター的なダメージを与えられるだけという状態だった。
又、蝶の羽を使いたくても非戦闘中しか使えない仕様に変わっていたのと、逃げ回る間にリンク数が増えてしまうのを恐れて手詰まり状態なのだ。
僕はポーションで回復をしつつ、ひたすら耐えながら、どちらかを倒せるその瞬間を待った。
キュキュキュ! キュキューー!ブシュ
・・・・キューーーーーー!?
ポーションも残り3本になった頃、遂にその瞬間は訪れた。
幾度となく繰り返された体当たり攻撃を受けバランスを崩して、しゃがんだ所へ飛び掛かってきたルナラビットから身を守る為に使ったナイフが1匹のルナラビットの心臓を貫いた。
その後は、残った1体も既に弱ってきていた事もあり難なく倒すことが出来た。
・・・・・いや、正確には先に倒した1匹に寄り添うように行動が制限された状態のルナラビットを倒したのだ・・・・・・・。
「くそっ・・・・何なんだよ・・・・。」
倒したルナラビットは、プリンとは違い消えなかった。
そして、ドロップ品として幸運の御守り1つと魔石を【3】つ残していた・・・・・。
・・・・・・その中の1つはとても小さかった。
僕は、森の中にルナラビット達の骸を抱き抱えて入りお墓を作った。
本当は奪った命を無駄にしない為にも食べれるように処置するのが正解なのかもしれない。
でも僕にはその処置をする為の知識も技能も持ち合わせていなかった。
「ゲームじゃあ・・・ないんだよな・・・・。
わかっていたつもりだった・・・・・・。
でも全然わかっていなかった・・・・。」
昨日倒していたプリンは魔(法生)物だから倒した後に消えて無くなった。
今日倒していた盗虫の卵にしても、前世で虫は駆除してたので特に気にならなかった。
だからか命を奪うという事の実感がまるで無かった。
そして、今日倒したルナラビットは魔(獣動)物だから消えては無くならなかった。
2体しか倒していない筈のルナラビットからは3つの魔石が出てきた。
それが何を意味をするかがアキラの心に大きな傷を作る事となった。
「何の覚悟もなく・・・・君たち家族の幸せを奪って・・・・ごめんなさい。」
血と土まみれになっていた服を着替えてから、若葉亭へと戻り何も食べる気もおきず、そのままベッドへと倒れこみ眠りに落ちていった。
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現在のステータス
名前:アキラ 職業:ノービス
BaseLV9/999 JobLV9/9
Str 1 Agi 1 Vit 1 Int 1 Dex1 Luk49
@36Point
HP 80/80→120/120 SP 40/40→60/60
Skill
共通言語
HP回復力向上(休息時のみ有効)
SP回復力向上(休息時のみ有効)
魔物使役
個人念話
@4Point
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