第4話 若葉亭

僕は、少しふ・・・老舗感のある宿の前に立っていた。

新しく出来たであろう建物ばかりある場所なので何気に目立っている。


「いらっしゃいませー!!」


中に入ると元気な中学生くらいの女の子に迎えられた。


「とりあえず3泊でお願いしたいのですが、大丈夫ですか?

それと可能であれば食事の方もお願いします。」


「3泊!!大丈夫だよ~!!

1泊銀貨3枚前払い,食事は1食大銅貨1枚だよー。

お食事だけど~、朝は6時から9時で夜は18時から21時までになってるよ~。

シャワーが必要ならその時に大銅貨1枚払ってねー。

シャワーが利用できるのは、6時から22時までだよー。」


「それでは、3日分の宿賃と今日の夕食とシャワーでお願いします。」


そう言って僕は金貨1枚を渡した。

そう、この世界でも1日は24時間だった。

因みに、1年は1の月から12の月まで其々が30日の360日だった。

1週間は、火・水・風・地・念・闇・光の7つの曜日に区切られていた。

曜日の名は、大精霊が関係しているらしい。



「はーい、たしかに~。

好きな席に座っていてくださーい。

お持ちしまーす。」


時代的には、中世ヨーロッパくらいだからあまり期待はしない方が良いのかもしれない。

でも僕は、この世界に来てはじめての食事にドキドキしながら待っている。

ゲームじゃあ味はわからないし、何より料理がアイテムとしては無かったのでどんな見た目かも全くの未知の物なのだから、期待半分,不安半分って感じだ。


「は~い、おまちどうさま~ですよ~。

ビーフシチューだよ~。

とっっっても美味しいよ~。」


何と出てきた料理は、日本でも食べたことがあるビーフシチューだった。

確かに美味しそうな香りはするのだが、

普通すぎて拍子抜けな感じもする。

でも怪しいもの食べるより全然いいなと思いスプーンを持った。


「いただきまーす。」


僕は、ビーフシチューを一口入れて数秒前の自分にツッコミをしつつぶん殴ってやりたい。

何が普通すぎて拍子抜けだ・・・・。

今まで食べたビーフシチューよりもここのは美味しかった。

これは、スプーンが止まらない。

僕は、物凄い勢いでビーフシチューを平らげた。


「わぁ~、すごい食べっぷりだね~。

満足して貰えたかな~?」


「御馳走様でした。

美味しすぎてアッという間に食べちゃったよ。」


「よかった~。

ウチのイチオシなのよ!

あっ、お皿片付けますね~。」


「はい、ありがとうございます。」


食堂を後にし、シャワーを済ませて部屋に戻ると思った以上に疲れていたのだろう。

吸い込まれるようにベッドへと倒れこみそのまま眠りについた。






神様・・・着替えは入れていて欲しかったです・・・・・・・・。














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