第3話 冒険者ギルド

程なくして、王都の中央広場近くにある一際大きな建物である冒険者ギルド本部へ辿り着いた。


「はぁ~、実際に見るとデッカイな。」


確かゲームだと三階建ての建物で、一階には受付がありギルドへの登録やクエスト関連もここでして、また裏手に素材を解体や保管をする倉庫が併設されていた。

そして、二階には酒場や喫茶店などがあったはずだ。

因みに三階には会議をする大部屋やギルドのお偉いさんが仕事をする個室だったと思う。


僕は早速ギルドへと入り、受付のカウンターへと向かった。


「こんばんは、本日はどのような御用件でしょうか?」


「遅くにすみません。

冒険者登録と素材の買取をお願いしたいのですが、宜しいでしょうか?」


日本時間でいう20時くらいの時間なので少し気が引けたのだが、素材を売ってお金を得ないと宿も食事もとれないので勇気を振り絞った。


「はい、もちろん大丈夫ですよ。

こちらの用紙に記入をお願いします。

それと、登録料が銀貨三枚になります。

すぐに支払いますか?

それとも、クエスト報酬から何割か引く形での分割になさいますか?」


「素材の売却金の一部を充てさせて下さい。

足りない分は、クエスト報酬からの分割でお願いします。」


「はい、わかりました。

ではまず登録にあたり説明させていただきます。」


僕は、用紙に名前を記入した後に受付のお姉さんから説明を受けた。

遅くに来たのにイヤな顔1つ見せずに笑顔で対応してくれたお姉さんに好感を覚えた。


「それでは、アキラさん。

こちらの水晶に手をのせてください。」


「はい、わかりました。」


僕が水晶の上に手をのせると青く光った。


「はい、問題なく登録できますね。

カードが出来るまで少し時間が掛かりますので、先に右奥の素材買取カウンターの方へ行って下さい。」


「わかりました。

ありがとうございます。」


僕は、お姉さんへお辞儀をして素材買取カウンターへと向かった。


「おぅ、あんちゃん。

見ねぇ顔だな、受付ならキレーなねぇちゃんがいる方だぜ!ガハハハハ」


40歳くらいだろうか?

何でこんなところで受付してるんだろう?と思ってしまう程の逞しい身体と豪快な笑い声で迎えてくれた。


「はい、先程登録してカードが出来るのを待つ間に素材の買取をお願いしにきました。」


「おぅ、それならここで間違えねぇーな!

んで何を持ってきたんだ?」


僕はこちらをお願いしますと言いながら、リュックの中に入れていた素材と魔石をだした。


プリンの核×20

プリンの欠片×15

プリンの魔石×1


「ほぅー、魔石もあるのか。

自分で使わなくてもいいのか?

使えばあんちゃん位の駆け出しなら、充分にプラスになると思うぞ?」


「はい、もう1つあるんで大丈夫です。」


「はぁーーー。

それはまた運のいい奴だな。

わかった。

直ぐに鑑定するから待ってろ。」


そう言うと直ぐに鑑定に掛かりアッと言う間に金額の提示をしてきた。


「まず、トータル額だが金貨3枚と銀貨2枚と銅貨1枚と鉄貨2枚だ。

内訳は、魔石が金貨3,プリンの欠片が銅貨1と鉄貨2,プリンの核がクエスト達成報酬込みで銀貨2だ。

問題ねぇーならこの書類にサインしてくれ。」


「クエストは、受けてなかったのですが良かったのですか?」


「あぁ、常時クエストだからつけておいた。

問題ねぇ。」


「わかりました。

ありがとうございました。」


僕はサインをしてお辞儀をして、受付の方へ戻ろうと思ったら・・・・・。


「おぅ、あんちゃん冒険者になるなら行儀が良すぎると舐められっぞ!

じゃあ、またこいよガハハハハ」


豪快に笑いながら行儀が良すぎると指摘し奥へと入っていった・・・・・。

そうか・・・確かにテンプレ的に舐められて厄介ごとに巻き込まれるのもあるし気を付けようと思いつつ受付へと戻った。


「アキラさん、お待たせ致しました。

こちらがギルドカードになります。

失くされないように気を付けてくださいね。」


「はい、ありがとうございます。

それと登録料ですが、全額支払います。

それと、これから泊まれる宿とかありませんかね?」


「はい、確かに受け取りました。

宿でしたら、若葉亭が広場の向かい側にありますのでそちらへ行かれたらと思います。

新人さん用に何部屋かギルドが抑えいるので問題なく入れますよ。」


「わかりました。

若葉亭に行ってみます。

親切にありがとうございました。」


「はい、またのお越しをお待ちしております。」


受付のお姉さんの笑顔に見送られ、ドキドキしながら僕はギルドを出て若葉亭へと向かうのだった。







「あ・・・・・名前聞いとけば良かった・・・・」



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通貨について


ミスリル大金貨 5,000,000

ミスリル金貨 1,000,000

大白金貨幣 500,000

白金貨 100,000

大金貨 50,000

金貨 10,000

大銀貨 5,000

銀貨 1,000

大銅貨 500

銅貨 100

鉄貨 10


日本円に合わせた場合の大まかな目安です。

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