第1章 ゲームと現実の狭間で
第1話 考察や検証は大切
目の前に広がるのは草原とゲームで見慣れた看板。
そして、更にその先にうっすらと見える王都の城壁が見えた。
「まだ時間は朝っぽいし先に色々考察や検証をしてから向かうかなぁ。」
独り言を呟いた後、すぐにゲームであった1つの設定画面をした記憶が無いことに気がついた。
あっ・・そういや、容姿を決めたりするのが無かったけど、どんな容姿になったんだ?
改めて僕は自身の姿を見てみると、足はスラッとして等身も高くなっていた。
少しポッチャリしていたお腹も引き締まった感じになっている。
持っていたナイフに写し出された顔は・・・おおぉ!
うっすらと前世の面影はあるもののなかなかのイケメンになってるじゃないか!!
「ヨッシャァァァ」
思わずガッツポーズを決めてしまった。
興奮冷めやらぬまま、実際にどのくらい動けるかを確認してみると前世の自分よりは幾分動きにキレがあると感じられた。
「思ったより動けそうだな。これくらい動けるなら定番の魔物を倒してみようかな。」
僕は、この辺りに出るはずの定番の魔物を求め移動した。
程なくしてゲームの時に見慣れたフォルムを見つけた。
それは、プリンと呼ばれる魔物は水色の球体に目と口があり、ポムポムと跳ねながら移動する姿がとても可愛らしい魔物だったりする。
もちろん見かけ通りの穏やかな性格で攻撃を受けない限りノンアクティブである。
ただ放っておいても、無害というわけではなく農作物を食べたり、道具を食べたりする。
更に細胞分裂的な感じで結構頻繁に増えたりもするので定期的に討伐しないとプリンによる被害がもの凄いことになるらしいので、冒険者ギルドから討伐対象として指定されている。
因みに亜種として様々な色のがいるのだが中には攻撃的なのもいる。
「さてと、眺めていても仕方ないのでとりあえず戦闘やステータスの検証をしてみようかな。」
いくら動けるといってもいきなり接近戦は躊躇えたので、アクティブにするのに近くにあった石を拾いプリン目掛けて力強く投げつけた。
グシャ・・・
投げつけた石は、ものの見事にプリンの核を貫いて、ドロップ品を残して地面へと溶けていった。
「はっ!?・・・・クリティカルか?・・・いやいやしかし・・・・」
まだ大してLukも上がっていない事もあり、特に気にしていなかったけど、クリティカルが出るとゲームだと防御無視の攻撃になるんだったなぁ・・・・。
あれぇ?そもそもゲームの時は、Str1だと投石一撃で倒せる事は無いはずなんだけどなぁ?
その後何度も検証する事によって、石の大きさ、形状や当たる位置により結果が大きく異なる事がわかった。
「どうやら、ゲームと違って当てる位置によっては一撃で倒したりも出来るのか。
まぁ、普通に考えれば当然かぁ。
んー?そうなるとステータスの意味合いが変わってくるかもしれないなぁ。
とりあえず、色々と試してみないとダメかなぁ。
LVアップした分のステータスポイントの振り分けは保留かなぁ。」
実際に模擬戦なりして検証する必要は有るだろうけど、ゲームと現実の違いを確認していこうと思うのだった。
その後は、ひたすらプリンを倒して、陽が傾きはじめる時間になってきたので王都を目指して北へと歩き始めた。
「うっ・・・意外と遠い・・・・マジか・・・」
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