第69話:激闘なのかな。
「サンドソードストーム」
「サンドランスストーム」
「サンドアーチストーム」
「サンドナックルストーム」
俺が4人の不良勇者の前に立ちはだかると、いきなり魔術攻撃を放ってきた。
それぞれの武器を持って襲ってくるわけではなくだ。
しかも範囲魔術は使わず、個体に放つ最上位魔術を使ってきた。
人と出会った時にはそうするように命じられているのだろう。
鳥や虫を相手に戦うのはあくまでも余技、準備段階にすぎず、対人戦に重点を置いた命令が与えられていたのだな。
「エリアバリア」
4人の不良勇者が放つ魔力の嵐はとてつもなく激しい。
しかもそれが四重になって襲いかかってくるのだ。
普通ならズタズタに引き裂かれてミンチ肉になっているだろう。
ゴア伯爵フランセス騎士団長であっても同じ事だろう。
1人の攻撃なら耐えることができても、2人同時では即死しているな。
「サンドソードストーム」
「サンドランスストーム」
「サンドアーチストーム」
「サンドナックルストーム」
だが俺なら何の痛みも負担もなく防ぐことができる。
英雄魔術に関しては無限になっている。
勇者が百人同時に襲いかかって来ても余裕で相手できる。
基礎レベルに関しても倍以上の開きがある。
基礎レベルが1つ違うだけで実際の戦闘では楽勝になる。
生産魔術で基礎レベルの底上げをしておいて本当によかった。
「サンドソードストーム」
「サンドランスストーム」
「サンドアーチストーム」
「サンドナックルストーム」
こうして直接戦うと、実力の違いがよく分かる。
不良勇者が何度魔術攻撃をしてきても全く不安を感じない。
1度バリアを展開するだけで、勇者の攻撃を何度も防ぐことができている。
魔術の発動時間も倍どころか3倍も4倍も長いのだろう。
いい機会だから、発動時間を比べておくのもいい。
まあ、攻撃魔術と防御魔術では根本的に発動時間が違う可能性もあるが。
「くそ、てめえナニモンだ。
名前を言え、名前を」
1人だけ奴隷になっていない剣の勇者が聞いてくる。
完全鎧で身を包んでいる俺の顔は分からない。
体つきも完全鎧に包まれているから全く分からない。
親父狩りで半殺しにして相手だとは思いもしないだろう。
そもそもやった事すら覚えていないかもしれない。
いや、おやじ狩りの後で異世界召喚された事は覚えているかもしれない。
だが、こいつらの事だから、俺以外にも大勢を狩っていただろう。
親父に限らず、抵抗できない女子供を狙って襲っていたはずだ。
そう思うと無性に腹が立ってきた。
予定では魔法袋に保管してあるクジラとサメの血を撒くつもりだった。
血の臭いに引き寄せられたデザートワームに追い返させるつもりだった。
もう少し時間稼ぎをして、この世界を楽しむつもりだった。
だから今直ぐ殺す気はなかったのだが、ちょっとやり方を変えよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます