彼女の部活
バブみ道日丿宮組
お題:振り向けばそこにゲーム 制限時間:15分
彼女の部活
圧倒的敗北感に包まれた時、人間はどんな顔をすればいいのかわからなくなるというか何すればいいのかよくわからない。
「コンプリート」
イラッとする笑みを浮かべるのは同じ部活の仲間で、幼馴染。口を開かなければ学校一番の美少女と言われただろう。ちなみに学校外だと言われてる。
あくまでも容姿と才能だけを見た結果がそれである。
「お前もきちんと練習しろよ」
準備体操を念入りにする俺もどうかと思うがユニフォームを着て、ベンチに座ってゲームしてるやつもどうかと思う。
「準備体操なら学校来る前にしたよ」
「いや……準備体操ってのは運動する前にするから意味があるんだが……」
俺のため息に聞く耳を持たず、彼女はピコピコとスマホを操作。準備体操をする男子生徒からパンツを見られてるのも気にせずってのは度胸がある。
眼福で夜の営みに貢献してると言われるが仲良すぎて正直そういうふうには見れないな。逆にそういうふうにしか見れないやつは俺と彼女の関係ができあがってると思い込んで踏み込んでこない。
性格って大事だよな。
きっとこんなふざけたものじゃなければ声をたくさんかけられたんだろうな。
「今日はやってるやつの大会があってさーー」
俺の意見を聞いたのかスマホ片手に準備体操を始めた。器用なものだな。パンツは相変わらず丸見えだが。
「いっときも対戦から離れられないんだよね」
「それ社会人もやってるんだろ? なら部活中ぐらい集中しなくてもいいんじゃないか?」
「一番がいいじゃん」
はい、そうですか。そうですね……。
こいつの欲求深さは今に始まったことじゃない。あれやこれやと一番を狙いたがる。そのおかげで幼い頃は苦労したものだ。いや……今も苦労してる……か。
「……丸見えなのはいいのか」
と本音がちらりと出た俺を、
「君に見せるのはとっておいてあるから平気だよ」
とにっこりな彼女。
勘違い系青春野郎だったら惚れてしまうかもしれないし、期待してしまうかもしれない。
だが、こいつはどうだろう……か?
万に1つそういう未来もあるのだろうか?
「他に見られるにしてもピンクは目立つだろ」
考えがまとまらないのでとりあえず思ったことを口にする。
「だって可愛いんだもの」
そういって一回転する彼女は生々しい肉体をちらり。
うん、ちょっとイラッとした。
「そういうことあんまするなよ。大事な身体なんだから」
「そ、そうかな? えへへ。ありがとう」
なぜか恥ずかしかった彼女はその後真面目に部活動をはじめて、見学者が増えた。
彼女の部活 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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