39
「アリア姫?どうなさったのですか?」とその女の子は私に聞いた。
すっごく綺麗な女の子だった。
「いいえなにもありませんわ」と私は涙を見られないように、俯きながら言った。
「愛莉亜」と甲斐は私を呼ぶ。
私の名前を呼ばないでよ!
「では私は失礼しますわね」と言って逃げるように猛ダッシュで廊下を走った。
部屋を出た後「愛莉亜!」と呼ぶ甲斐の声が聞こえた気がした。
でも私はあの場所から逃げたかったんだ。
私ね、甲斐あなたのことが好き・・・。
今やっと気付いた・・・。
甲斐のことが大好きなんだってことを。
きっと私は始めから甲斐のことが好きだったんだと思う。
だけど認めたくなくて嫌いなフリをしていただけなのかも知れない。
もっと早くに気付いていたら、今あなたの隣には私がいたのかな?
そして私は屋上に来た。
ここなら誰も来ないよね?
あははっ授業サボっちゃったよ。
そう思っているとドアが開く音がした。
ん?誰?
振り向くと甲斐がいた。
「愛莉亜・・・」
私は逃げようとドアに向かった。
「愛莉亜逃げるなよ!!」と甲斐に抱きしめられた。
なんで抱きしめたりするのよ?
甲斐の気持ちがわからない。
「甲斐離してよ」
「いや離さない!!」
「なんでなのよ?」
「愛莉亜が勘違いしてるからだろ」
勘違い?
どう言うこと?
「なにが勘違いだって言うのよ?甲斐はさっきの綺麗な女の子と付き合ってるんでしょ?もう私に構わないでよ!」
「だから、それが勘違いだって言うんだよ」
「え?」
「さっきの子とは付き会ってなんかない」
「じゃあなんでキスしてたの?」
「告白された後に、あっちからして来たんだよ。俺もビックリしたくらいだ」
「本当に?」
「ああ本当だ。告白もきっぱり断ったから。それはそうと・・・愛莉亜焼きもち妬いてるのか?」
うっ!そうよ・・・悪い?
「違うから!」
「嘘付くなよ。愛莉亜本当は俺のこと好きなんじゃないの?」
「・・・」
「俺は愛莉亜が大好きだ。愛莉亜は?」と真剣な目をして言う甲斐。
「私も好き」
「マジで?」
「私は嘘なんて付かないわよ。甲斐のことが好き」
「俺マジで嬉しい」と言って甲斐は私にキスをした。
「ねぇ・・・マサヤのことなんだけど、どうにかならないかな?このままだと私アイツと結婚させられそうなのよ」
「そんなことは絶対にさせないから安心してよ。俺がなんとかする。って言うか俺以外の男に愛莉亜は渡さないし♪」
「あははっ。期待してるよ甲斐♪」
こうして私達は両思いになり、付き合うことになった。
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