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私は逃げられると本気で思っていた。


何でかって?

私は足が速いから!

自分でも自信があった。

でも1つ忘れていた事がある。

それは私が女でアイツが男だと言うこと・・・。

1番肝心な事なのに!


アイツ早い!もうすぐ後ろまで来てる。

くそ~~~私が男だったらあんなヤツには捕まらないのに!



そして私は呆気なくマサヤに捕まった。


「アリア・・・なかなか早いじゃないか。でも俺様に勝てる訳ない」とニヤリと笑った。


「とにかく話してくんない?腕痛いんだけど!」


「離さない。離したらアリアまた逃げるだろ?」


「アンタ馬鹿じゃないの?また逃げたとしても、また捕まるから一緒だって。逃げないから離してよ!」


「ふっそうだな。でもその前に・・・」


は?何?その前にって?

何する気?何か嫌な予感が。


痛っ!!!急に腕が痛くなった。

マサヤが腕を強く引っ張ったからだ。


「何すんのよ?痛いじゃない。離してよ!!!」と言った瞬間、唇に生暖かい感触が走った。


っ!!!!!これはキスだ・・・。


ちょっと、一度ならず二度もするなんて何てヤツなの!!!!!


「ちょ・・・何すん・・・」


抵抗する私・・・だけどコイツの力には勝てなくてされるがままだった・・・。


くそう!このままコイツの好きにされるなんて耐えられない!


私は力を出して、思いっきりヤツの唇を噛んだ。


「っ・・・痛いだろアリア」と言って私から離れた。


「アンタがこんな事するからでしょ!!」


「こんな事ってキスの事か?」とニヤニヤしながら言うマサヤ。


「わかってるくせに聞くな!!!」


「ははっアリアって本当可愛いな❤」


「可愛くなんてない!」


そうやってマサヤと言いあっていると父達が帰ってきた。


「おや?仲良くやってるみたいだな」とマサヤの父が言う。


「ははっそのようですな」とお父様が言った。


「仲良くなんてありませんわ・・・」


「じゃあそろそろ私達は失礼するよ」とお父様がマサヤの父に言った。


「またいつでも来て下さい」


もう来たくないですと心の中で思った。


「ああ。じゃあアリア帰るぞ」


「ええ、お父様」


やったぁ♪やっと帰れる~~~♪

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