第10話

ページをめくると、丁寧にまとめたメモがあった。


神薙村

神薙村は線路も届かないような遠い遠い場所にある村。犯罪を犯した者の、自供する勇気もなくバレなかったような人が行きつく場所とされる。自責の念からこの村を紹介したサイトに行きつく人が多いとのことだ。地図の中では、山としてしか記載されておらず、実際はトンネルを通って初めてつくことの出来る村だが、そのトンネルも崩壊。海に面していることから、海路での方法を模索しなければならない。しかし、途中まではバスで行くことが可能。その場合は、山を1つ歩いて越えなければならず、1人で行くことは困難。政府はこの廃村に目をつけ、注射を打った患者たちを収容する場所とした。


接種

接種は、なぜか肘から下の部分に打ち込まれるうえ、注射針を使いまわすという説明の部分から違和感を感じ調査を開始。一部、集団接種を先駆けているとのうわさがあり、そこへのインタビューを行うことを決定。精神病棟を優先して接種を呼び掛けているとの話だった。しかし、生理食塩水の接種が行われているようだ。実際にm入ってみないと見えないため、潜入のの決意を決定


精神病棟

正しくは、貝塚精神病棟の中の、末期患者収容施設。末期と言っても色々なものが想像できるかしれないがここでは、死刑になったものの精神異常として免除された者も含まれていた。もちろん、計算づくで狂人を演じたものもいるだろう。そのような彼らが、接種を優先されるというから、若干のきな臭さは感じていた。


尾更木

連続殺人犯と言ってしまいたいところだが、時効が成立している。つまり世間的には彼はただの人間だ。そんな人間がなぜこんなところにいるのか。彼はもともと神薙村にいた。彼と話のメモは「マック・ザナイフが好きだ。」から始まる部分だ。彼の話を聞いたときはびっくりした。贖罪の地である神薙村に向かうと伝えた瞬間、彼は何かを仮作しているようだ。しきりに人らしさとはといった話を何度もしているが、これはまたこの取材が終わったら彼を記事にまとめよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る