王宮に戻りましてよ!

王宮に戻り、すぐに国王様に呼び出されたわたくし達は謁見えっけんの間へ向かった・・・。



「皆よく戻った。で・・・カレンはどうだったんだ?」


「はい父上、やはりカレンには魔物を浄化できる能力ちからがあるようです。この瞳でちゃんと見ましたから・・・」


「やはりな・・・。そうなると、カレンには率先して討伐隊のリーダーになってもらう事になるが、覚悟はできてるかカレン?」




わたくしがリーダーなんですの?

浄化の能力ちからを持っているだけですのに・・・?



「国王様、覚悟はできていますがわたくしがリーダーでよろしいのでしょうか?」



「カレンのその能力ちからは特別な力だ。だからカレンがリーダーになるのは当然の事だが・・・なにか不満でもあるか?」




不満ではなく、不安があるだけですわ国王様・・・。




「いえ・・・なにも・・・。それでは喜んでリーダーの件お受け致しますわ国王様」


「よく言ってくれたカレン。それではユリウスと共に魔物討伐の旅に明日から出発してくれるな?」




はい?

魔物討伐の旅?

明日からですって?

わたくし達、今さっき王宮に帰ってきたばかりですのよ?

それはあまりにも早すぎですわよ国王様・・・。

でも国王様の言うことは絶対なのよね・・・。


出発してくれるな?=出発しろな訳になりますから・・・。




「父上それはなんでも早すぎます!」


「ユリウス大丈夫よ。ねぇ皆さんも大丈夫ですわよね?」


「ええ私達はいつでも準備できていますよカレン様」と側近たちが応えてくれた。


「お前たち・・・。父上わかりました・・・。私達は明日出発します」


「ああ。まだ魔物は沢山いるからな・・・皆頑張ってくれ!」




そう言い残し国王様は去って行った・・・。




「明日からまた頑張りますわよ。皆さん」


「カレンは魔物怖くないのか?」


「怖くないと言えば嘘になりますけど、怖がってばかりいたって魔物は減りませんし、わたくしには浄化の能力ちからがありますのよ!使うに越したことはないと思いませんこと?」


「カレンは強いな。私ももっと強くなるよ。カレンのために」


わたくしだけじゃなく国民全員のために強くなるってユリウスは言わないといけないんではなくて?ユリウスは将来は国王様になるのだから・・・」


「カレン様さすがです。未来の王妃様となられるお方は、仰られる言葉が他の方と違いますね」とカイン様が言った。




あのーカイン様お一人で納得しているようですけれど・・・わたくしまだユリウスの王妃様になると決定したわけではありませんのよ?




「ああ、それでこそ私のカレンだ♪カレンと皆に約束するよ。私はこの国を絶対に守ってみせると・・・」



そう言って微笑んだユリウスに何故かわたくしの胸がドキドキと鳴った・・・。



わたくし一体どうしちゃったのかしら?

動悸とか?

でも今走ったりしていませんのに?

わたくし体調悪かったのかしら?



また勘違いをするカレンであった・・・。



「ええ。ユリウス頼りにしていますわ♪」

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