婚約者様のご登場ですわ 【4】

幼い頃から(今でも十分に幼いですけども)ユリウスとは一緒に過ごす時間は当たり前にあり、それなりに仲良くはしていたけどユリウスがわたくしを好きになった理由が全く見当たらないですわ・・・。


わたくしの容姿はそれなりに整っているとは思いますけど、絶世ぜっせいの美女・・・違った絶世絶世ぜっせいの美幼女とまでは行かないわけで。


ユリウスはわたくしのどこが良いのかしら?と思ってしまう。


そしてわたくしはユリウスのことは好きだけど、恋愛の好きではありませんのよね・・・。


どう答えたらいいのかしら?

一応とは言っても婚約者ですし・・・。


「ユリウス私は・・・」



「カレンは僕のこと嫌いなの?」




「いえ。好きですわ。けれどユリウスの好きとわたくしの好きに違いがあると言いますか・・・」



「ふーん・・・カレンは僕のことを友人として好きと言うことだね?」



「ええ。わたくしのことを好きだと言ってくれたユリウスには申し訳ないのですが・・・」



「いいよ。今はそれでも・・・」




今は?

凄く嫌な予感がします・・・。



そしてさらにきつく、抱きしめてきた。




「ちょっとユリウス痛いです!!」



そしてユリウスはわたくしの顎をつかんでクイッと持ち上げたと思ったら唇に温かい何かが触れた・・・



は?

これはキス!!

ってなぜわたくしはユリウスにキスされてるのかしら?

わたくし達まだ7歳でしたよね?

キスは早すぎませんかね?

それよりも止めなくちゃ!!


「ちょっユリウスなにするのですか・・・」



「なにってキスだよ知らないの?」



「知ってますが、なぜわたくしにするのですか?」



「カレンのことが好きだからだけど問題ある?」



「問題ありすぎです。まずわたくし達はまだ7歳で年齢的に早いこととわたくしの意思を無視して、その・・・キスをするなんて酷いですわ」



「じゃあカレンの了承を得たら、してもいいんだよね?」




はい?

わたくしが了承なんてする訳ありませんけど・・・。



わたくし、了承なんてしませんわよ?」



「へぇ強気なカレンも好きだけど・・・。でもいいのかな?」




「なにがですの?」



「キスしたよねさっき?」



ええ、無理やりあなたにされましたが?



「それがどうしたんですの?」



なぜだかまた嫌な予感が・・・。



「普通の市民は良いけれどカレンは王族の僕と婚約してる身だ。この国では例え婚約者同士であっても16歳まではキスをしてはいけない決まりがある」



「ええわかっていますわ」



・・・ユリウスのせいで守れませんでしたが・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る