体温

跪き従属しなければ存在を許されないと、大人達から聞かされたのは幾つの時だったか、もう忘れてしまった。きっと彼らも忘れている。


今は日々の糧と辛うじて自己を保つ理由が欲しくて、僕は己を売る。夜半の地下街シャッター路地の蛍光灯は歪んで明るく、ネズミと肉体的なkalkの匂いがする。


血の流れと体温におぼろげな優しさのようなものを味わう

血のつながる人たちから得られなかったものを

ゆきづりの人々が投げてよこす

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る