しるし
役目を終えて、生命をなくした葉が黄色く変わっていく頃、
僕は選別され、うなじへ印を刻まれた。
集められた時に彼女が居たので僕の心は白くなった。
「雪」と刻まれたのはきっとそのせい。
すれ違いざま、彼女のを盗み見た。
共通の「O」の文様、そして「詩」に似た文様。
猟犬のような、しなやかなうなじに。
新たな名は刻まれたその人の心根だと聞いたが。
彼女は詩の心根を持った獣なのか。
手つかずの宝箱を手にしたかのような戦慄きが背骨を駆けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます