しるし

役目を終えて、生命をなくした葉が黄色く変わっていく頃、

僕は選別され、うなじへ印を刻まれた。


集められた時に彼女が居たので僕の心は白くなった。

「雪」と刻まれたのはきっとそのせい。


すれ違いざま、彼女のを盗み見た。

共通の「O」の文様、そして「詩」に似た文様。

猟犬のような、しなやかなうなじに。


新たな名は刻まれたその人の心根だと聞いたが。

彼女は詩の心根を持った獣なのか。

手つかずの宝箱を手にしたかのような戦慄きが背骨を駆けた。

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