襲撃者Ⅰ
足音の鳴った方を銀上と久嗣が見る。
現れたのは鎧を着た男達だ。
見ただけで二十人はいる。
「兄弟、どうするよ」
「とりあえず、敵だと思うんで倒しましょう。あと兄弟はやめてください」
「いやぁ、今のは素晴らしい戦いだったよ。銀上聡、睦月久嗣。さて君達にはここで死んでもらおうかな、"
地面から金色の箱が現れた。
「ーっ!!そんな馬鹿な!!」
「どうした、兄弟」
「あの"霊装"は"九焔"が一人、轟蓮摩のものだ。しかもあの"霊装"は開けたら最後、全てを屠り使用者以外は決して逃げることは出来ない。最強最悪の"霊装"とされている。だから本来、連盟からの承認が必要となる!」
「物知りだね、睦月久嗣。では手始めに君から餌食になってもらうよ!!」
「金色、、、そういうことか」
「冥府へと堕ちるがいい、開け!」
しかし反応がない。
「もう少しで引っかかるところだった。それは偽物いや偽物とも違うか、、しかしそれは轟蓮摩のものとは違う。あの男のはまず箱の色が銀色でそもそも詠唱を唱えなければ使えない」
「ちっ、この役たたずが!」
男は"霊装"のようなものを蹴り飛ばすが硬いのか足を抑え苦痛に歪んだ顔をしている。
「あんたらが何者かは知らねぇが厄介な敵になる事は確かだ。ここで倒させてもらう」
再び、銀上と久嗣は構える。
「ふ、ふははははははははっ!!」
突然男は壊れたかのように笑いだした。
「なんだ、壊れたのか?」
「いいや、お前らが死にゆく姿を想像したら滑稽でな!」
男はポケットから注射器のようなものを取り出すと自ら首にさし、なにかの液体を注入した。
「なにをしたんだ?」
「@kt'padxglamw'tjT58#mw'qljdw'/t'vm!!」
男の目は充血し口からは透明な液体を吐き出し、肉体は化け物のように成り果て何を叫んでいるかも分からない。
「先輩、本気でいきましょう。でないとこっちがやられそうな気がします」
「ああ、そうだな」
男へ向けて攻撃をする前に二人の肉体は吹き飛び、外の戦車へと叩きつけられ、戦車は思い切りへっこんだ。
「いってぇ、、マジでバケモノかよ」
血混じりした唾を吐き、立ち上がる。
「兄弟、無事みてぇだな。ありゃまじでやばいな」
「少し舐めすぎました。あの巨体の割に動きが速く読めません」
「みてぇだな」
ぎゃあああああという断末魔が夜の街に響き渡る。
化け物は警戒していた軍人を潰し喰らっている。
「Jx,tj@da9,dw,w.」
「言葉?」
「兄弟、今は戦いに集中しろ!このままじゃ街への侵入を許しちまう!」
銀上は化け物が振り下ろした拳を止める。
「す、すみません!」
気を取り直し久嗣は刀を構える。
「俺が時間を稼ぐ。その間に兄弟がこいつに本気の技を喰らわせろ!」
「わかりました!!。あまり気乗りはしないがやるしかないか、、香織姉さん、、俺に勇気と力を貸してください」
久嗣の手は小刻みに震え、刀が落ちそうになる。
「久くん!」
すると後ろから震える手を握りしめられた。
「彩姉!ごめん」
「久くんは強がってるだけで本当は戦うのは怖いんだよね。大丈夫、私がついてる」
「ああ、、ありがとう。ふぅ、、如月流剣術第八奥義"終ノ斬"!!」
二人が振り上げた剣戟は雲を斬り、化け物を真っ二つに斬り裂いた。
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