二年生対一年生Ⅱ
ルイーナの襲撃より数刻前ー。
烏丸の空間転移により一年生は北広場、二年生は南広場へ転移した。
「あ、睦月くん、そのお二人は?」
役割の書かれた紙を持った少女が現れた。
「はじめまして、エルフィーア王国第一王女、ユリア・リル・エルフィーアと申します、以後お見知り置きを」
「ふん、私はリリスよ。気安く話しかけないでくれる?」
「私はこのクラスの委員長をしてます。新崎桃花です、よろしくお願いします。リリスさん、ユリアさん」
「それで睦月くん二人の緊急参加だけど」
「あー、リリスは俺と南広場を攻め込むから問題ないがユリア、どうする?」
「私の"霊装"である"
「了解」
「特に役割は変わらずですね!よろしくお願いしますね、ユリアさん」
と持っていた無線が鳴った。
『これより、二年生対一年生による模擬戦を三カウント後より開始します』
『3』
『2』
『1』
『始めッ!』
掛け声と同時にアラームが鳴り響き、試合時間である六十分のカウントダウンが始まった。
「さて、と。てめぇら、腑抜けてねぇだろうなぁ!」
いきなり久嗣が大きな声を出した。
「「「おお!!」」」
「俺たちは死ぬ気でこの模擬戦を制し、担任である桃先生を胴上げする、そうだろ!」
「「「おお!!」」」
「俺たち一年のこと舐めてる二年をぶっ潰すぞ!」
「「「おおー!!」」」
ショッピングモール内に一年の叫びが響き渡る。
「暑苦しいわよ」
「いいじゃないですか、見てるこっちまで気持ちが高鳴りますよ」
「「皆さん、頑張ってください」」
委員長とユリアの励ましで久嗣以外の男子が異常なくらいのやる気を見せ、散っていった。
「俺達も行くぞ、リリス」
「うっさいわね、いちいち指図しないでくれる?」
「はぁ。ユリア、委員長を頼んだ」
リリスと久嗣も南広場へと走り去る。
「沙耶音様、私の"霊装"は発動するのに時間がかかりますのでその間、委員長さんのこと守ってください」
「わかりました。桃花さんとユリアさんは私が久嗣様の名にかけて必ずお守り致します」
忍者のように静かに現れた沙耶音は再び消えた。
「エルディアの血を継ぐものなりて"不砕ノ要塞"を使用することをお許しくださいませ。我等が主神、アイアス様」
すると目の前に大きな盾が具現化する。
「す、すごい」
ユリアの周りは光で包まれ神々しさが溢れている。
「一切の敵許さず、侵入を拒み、闇を断ち切り、すべての不浄を浄化せよ。"絶対不可侵域"」
自らの血を媒介に魔法陣を描くと今度はユリアと委員長を守るようにして光が現れた。
「き、綺麗、、これがユリアさんの"霊装"」
委員長はその光景を見て唖然としている。
「これはまだ不完全です。完全な具現化にはあと二十分はかかります、ある程度は防ぐことは可能ですが"神装"が来たら致命傷です」
「さ、さすがに"神装"は来ないはず、です」
委員長はユリアの発言に少し引く。
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