二年生対一年生

会場である本土の指定されたショッピングモールへ着くと周りには国防軍の戦車などによって封鎖され、厳重警戒となっている。

学生証を見せるとすんなりと中へ入れた。

中央広場まで行くと半分近く生徒が揃っている。

教師陣は既に全員立っていた。

「久くーん!!」

彩葉が久嗣を見つけると猛スピードで抱きついた。

「ちょ、彩姉っ!」

「久くんエキス〜」

「今日は敵同士なんだから弁えろって」

久嗣は無理やり彩葉を引き剥がす。

「敵同士というのに仲がいいんだな」

赤髪の二年生が睨みながら目の前に立つ。

「銀上くん。姉弟が仲良くしてたらダメなのかな?それは私への宣戦布告?」

彩葉が鬼の形相で銀上を睨みつける。

「調子に乗るなよ、一年が。お前らごときに負けるほど二年は甘くない」

「銀上先輩、俺たちをあまり舐めるのはやめてください。特にうちの狂犬が暴れますから」

「最強は俺一人で十分だ」

とセリフを捨て去っていった。

「彩葉も弟くんから離れなさい」

「久くーん!」

彩葉の友人である宮部が彩葉を捕まえ、襟首を掴み引っ張っていった。

「久嗣!誰が狂犬よ!!」

「お前以外誰がいるんだ?」

「あんたねぇ!!」

リリスが釣っかかろうとしたら全員揃ったのか集合の合図が鳴り響く。

『これより第十二回二年生一年生による模擬戦開始致します。代表は烏丸理事長の前へ』

一年生からは久嗣、二年生からは彩葉が前へ出る。

「まさか、如月流の二人が代表とはな。面白そうな試合になりそうだ」

「長年の恨み果たさせてもらうぞ、彩姉」

「久くんは私は弟だからって加減してあげられるほど優しくないよ?」

二人が睨み合っているとこほんと司会進行役の先生が制止する。

『代表は生徒手帳を台座にかざしてください』

目の前にある大理石で出来た台座へ生徒手帳を置く。

【生徒手帳と生徒リストを照合中、、確認しました。二年生、如月彩葉、一年生、睦月久嗣両名参加条件を満たしているため承認】

音声が終わると放たれていた光は消えた。

「双方、"霊装デバイス"をここへ」

「「"霊装"起動オン」」

互いに日本刀の形をした"霊装"を出し、切っ先を重ねる。

「宣誓を」

「一年、睦月久嗣は」

「二年、如月彩葉は」

「「武士道精神に則り正々堂々と真剣に戦うことをここに誓います!!」」

『では、一分後に試合を開始致します。烏丸理事長、空間転移を』

「ああ、全員あまり無理をしないように」

烏丸が指を鳴らすと生徒全員が消えた。

それと同時に奥の物陰から十数人が現れた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る