第20話 報告

 翌朝、俺と雫は学校までの道を手をつないで歩いていた。

 亜紀は涙ながらに先に行かないといけないといっていたのはちょっとぐっと来た。


 結局あの後寝たのは夜の三時だった。

 そのせいか今すっごい眠くてあくびがさっきから止まらない。


「ふわぁぁぁ」


 隣からかわいらしい声が聞こえてきたと思ったら雫も口元に手を当てていた。

 目じりに浮かんでる涙がまた可愛い。


「眠そうだね」


「まったく誰のせいだと思ってんのよ」


「求めてきたのは亜紀と雫だろ」


 あ、顔真っ赤になった。

 亜紀も雫も赤ら顔めっちゃ可愛いんだよ!!!



「おーい康太!ちょっと待てよ!!」


 雫と歩いていると、純一がこっちに走ってきた。

 

「おはよう康太、雫さん」



「あの康太?お前と雫さんってほんとに付き合ってんの?」


 しばらく他愛のない会話をしていると、純一が急に訪ねてきた。

 雫もちょっとピクッとして動揺したようだ。


「あれ?そんなこと言ったっけ?」


「昨日お前が雫さんの手引っ張っていったせいでみんな噂してるぜ?」


 そういえばそうだった・・・。

 昨日雫が俺と付き合ってるところと


「仮にも姉弟なのになんでそんな噂が出るんだよ・・・」


「俺ら入学してまだそんな経ってないしあんま知られてないんだろ」


 純一のいうことにも一理ある。

 俺たちはまだ入学してから一週間も経ってない。

 そんな中俺と雫が姉弟と知るのはそう多くないだろう。


「それでどうなの?」


 しつこく俺と雫の関係を聞いてくるが・・・どう答えたものか。

 おそらく付き合ってるといってもこいつは言いふらさないだろうけど。

 

 俺が悩んでいると、雫が先に答えてしまった。


「そうだよ。私と康太は付き合ってるの」


「はぁぁ、、、言っちゃったか、、、」


「何か悪かった?」


 きょとんとした顔で俺のほうを向く。

 そういえば雫って若干天然入ってたなぁ。


 雫が答えて黙ってしまった純一を見ると、案の定驚いた顔をしていた。

 まぁ多少予定とずれてしまったけど純一にはいつか言うつもりだったからいいか。

  

「はぁぁ!!?お前雫さんと姉弟だろ!!?何で姉弟同士で付き合ってんの!!?」


 まぁやっぱりこうなるよな。

 ていうかこいつも驚くんだな。

 こいつの驚いた顔なんて初めて見た。


「おとといの夜、雫から告られた。俺も雫のこと好きだしOKした」


「まぁ別に俺からはどうこう言うことはないけど・・・はぁあいつも大変だな」


 後半急に声が小さくなったから何言ってんのかはわからなかったけど、とりあえず純一の理解は得られたみたいだ。

 雫のほうを向くとなぜか真剣な顔をしていた。


「絶対に俺と雫が付き合ってるの誰にも言うなよ」


「当たり前だろ。姉弟で付き合ってるなんて言ったら雫さんにも迷惑かかるだろうし」


 純一にも俺の懸念事項が伝わったのか言いふらさないことをしっかり約束してくれた。

 こいつは約束を守るやつなので信用してもいいだろう。 


「それにしても俺がいるにも関わらず恋人つなぎしてるってお前らバカップルすぎだろ」


 あ、雫と手つないでるのすっかり忘れてた。

 

 その後俺と雫は顔を赤くしながら手を放し、それを通学中純一にからかわれたのは言うまでもない。



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 どうも始龍です。

 しばらく更新できずすみません。理由を簡単に言うと、さっそくネタ切れです。早くもノープロットの弊害がががが

 そんなこともありましてこれから毎日更新はちょっと無理なので二日に一回更新に切り替えさせていただきます。これにはもう一つ理由がありまして、新作のほうが全く進めてないんですね。下にリンク張っとくのでよかったら見てみてください。


 この話がもしよければ応援と星とフォローのほどよろしくお願いします。いつも自分の励みになっています。それではまた次の話でお会いしましょう。



https://kakuyomu.jp/works/16816452220893969360


 



 


 

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