第15話 依存心

 帰り際、やっぱりというか純一に詰め寄られた。


「おい康太!!お前なんで今日朝来なかったんだよ!!」


「いろいろあったんだわ」


 まさか亜紀と雫の二人でエッチしてたという訳にはいかないので、適当にぼかす。


「いろいろってなんだよ!」


「いろいろはいろいろだよ」


 そんな押し問答を繰り返していると、雫もクラスが終わったのか俺に声をかけてきた。


「康太!早く帰ろ」


 そういいながら、雫は俺の腕に腕を絡めてきた。

 それを見て純一はため息をついた。


「雫さん・・・学校でそれはやめたほうがいいと思いますよ。あなただって弟と付き合ってるなんて噂が流れるなんて不本意でしょう」


「そうだぞ雫。どうせ家に帰ったらできるんだから学校ではやめろ」


「まったく康太はわかってないね!好きな人とこうしたいなんて乙女心がわからないなんて」


「そういうもんかね」


「そういうもんなの!!」


 そんなやり取りをしている俺と雫を見て、純一は怪訝な顔をしていた。


「・・・雫?・・・好きな人?」


 そうだった!雫の好きな人発言はブラコンの延長線にできるけど、俺の雫呼びは絶対追及される!


「なぁ康太。お前と雫さんってほんとにただの姉弟だよな?」


「こ、これには深いわk「違うよ純一君。私と康太はもう付き合ってるの」・・・」


 俺が慌ててごまかそうとしていたのに、姉さんが言葉を重ねて否定した。

 

『ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!』

 

 突如周りの人たちから大きな驚愕の声が聞こえてきた。

 そうだった・・・ここまだ校舎内だった。


「雫!!!もう行くよ!!!ほら!!!」


 俺は純一への挨拶もそこそこに、雫を連れて急いでその場から逃げ出した。


   〇   △   ×


「雫・・・どうし・・・うむぅ!!!!」


 帰ってきてすぐに雫に問い詰めようとしたが、雫にいきなりキスされた。


「んん・・・ちゅるぅ、くちゅ」


 しばらくして唇が離されたが、すぐにまたキスされた。


「ちょっと雫!!いきなり・・・んむぅ!!!」


 二回目のキスが終わった後にどうしてこんなことをしたのか聞こうと思ったが、また唇をふさがれた。

 しかも今度のキスは、雫の舌が俺の口の中に入ってくる、いわゆるディープキスだった。


 長い時間そうしていて、キスが終わり唇が離れた後、雫が静かに話しだした。


「ごめんね康太。今日いきなりみんなにばらしちゃって・・・」


「い、いや別にいいんだけど・・・」


 さっきまで問い詰めようとしていたが、雫の辛そうな顔を見るとさすがにそんなことはできなかった。


「今日学校に行って康太と離れ離れになったじゃん。いつもならちょっと寂しいなって思うぐらいで友達もいるから大丈夫だったんだけど、今日はもう無理で教室に着いた時にはもう康太のことしか考えられなくなってたの。友達も明るく話しかけてきたけどそれもダメで・・・こんな彼女でごめんね」


「そんなことないよ、むしろそんなに想われてて俺は嬉しいし、俺は雫の味方だから。なんたって俺は雫の彼氏だからな!」


 落ち込んだ雫を励まそうとすこしおちゃらけた感じで言うと、雫はようやく笑顔を見せてくれた。


「ありがとう康太・・・。大好きだよ・・・」


 

 しばらくして亜紀が帰ってきたとき、雫の顔は晴れやかだった。


_____________________________________


 どうも始龍です

 まず昨日は更新できなくてすみません。体調不良で一日寝込んでいました。今はもうすっかり良くなって大丈夫なのですが。これからは体調管理をしっかりしてこういうことにならないようにします。


 今回ちょっと雫の依存心を出してみました。これが吉と出るか凶と出るかはまだわからんけど。まぁなるようになるでしょう!


 今回もこの話がいいなと思ったら、応援と星とフォローのほどよろしくお願いします。いつも自分の励みになっています。それではまた次の話でお会いしましょう。



 


 





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