第12話 新しい問題
俺がキッチンで料理を作っている間、姉さんと亜紀はリビングで話し合っていた。
距離的に何を話しているのかまではわからないが、その真剣な表情を見る限り真面目な話をしているのは間違いないだろう。
晩御飯ができて俺たちは食卓に着いた。
『いただきます!』
一口食べて亜紀が愕然とした顔をした。
「ちょ!亜紀どうしたんだ!?」
「こーくんのご飯がおいしすぎて私じゃ勝てない・・・」
心配になって俺が声をかけるが、帰ってきた答えはなんともまぁしょうもないことだった。
「せっかくこーくんに私のおいしい料理食べてほしかったのに・・・」
「大丈夫だよ亜紀ちゃん。大事なのは味じゃなくてその料理にどれだけその思いを込めたかだよ」
落ち込んでいる亜紀を姉さんが慰める。
姉さんの答えに俺は納得した。
確かに昔美咲がうちに来た時、昼ご飯を作ってもらったことがある。その時の味はお世辞にもおいしいとは言えなかったが、確かに俺においしいと思ってもらいたいという気持ちはとても伝わってきた。
「そうだぞ亜紀。それに俺だって最初からうまく作れたわけじゃないが、姉さんに何度も教えてもらったんだ」
「そうだよ亜紀ちゃん。最初なんて康太すっごい下手でお母さんからもお前はもう台所に立つなって言われたほどなんだから」
姉さんが亜紀を励まそうとしているが、それは俺の古傷をえぐってる。
俺と姉さんの励ましが聞いたのか元気を取り戻した亜紀は、俺のほうに体を向けてお願いしてきた。
「こーくん、いえ康太君。私に料理を教えてください!!」
頭を下げてきた亜紀に俺は、
「そんなかしこまらなくてもいいよ。だって俺は亜紀の彼氏なんだから」
そう笑って答えると、亜紀は満面の笑みを浮かべて俺に飛びついてきた。
「こーくん!!!ありがとう!!!大好きだよ!!!」
かなり歯の浮いたセリフを言ったのでかなり俺は恥ずかしくなり顔が真っ赤になった。幸いにして亜紀は俺の胸板に顔を押し付けているから俺の顔は見えないだろうが、、、姉さんはめっちゃにやにやしてる。
姉さんにジト目を向けていると俺の胸元に顔をうずめていた亜紀が緩んだ声で言ってきた。
「えへへ、、、こーくんの心臓すごいドキドキしてる。私でこうなってくれたなら嬉しいな」
何ですかこの子!一瞬昇天しかけたぞ!今のは反則級だわ。顔の熱も引かねえし。
俺が亜紀の言葉に悶えていると姉さんが収集をかけてきた。
「ほらほら亜紀ちゃんもそんなにくっついてないの。ほら康太の作ったご飯冷めちゃうから早く食べるよ!」
亜紀もさすがにさっきのは恥ずかしかったのか少し急いでご飯を食べる。
晩御飯を食べ終わった俺たちはリビングでだべっていた。
そんなとき、姉さんが亜紀に話しかけていた。
「亜紀ちゃんそういえば今どこに住んでるの?」
「今は一人暮らしなんですけど、セキュリティが不完全なんですよね」
「それなら亜紀ちゃんここに住めば?」
「え!?いいんですか!?それはめちゃくちゃ嬉しいんですけど!!」
「いいよね康太?」
「このご時世女の子を一人にするのも危ないしなぁ・・・母さんに聞かないとわからないなぁ」
俺は携帯で母さんに電話をかけようと部屋にスマホを取りに行った。
_____________________________________
どうも始龍です
新作の設定はできたんだけど時間がなくて書けない・・・。
書き始めとかどんどん頭の中にたまっていくばかりで全く消化できてないんですが、とりあえず今週中にはお届けするようにしますのでもうちょっとお待ちください!
また今回の話がもしよければ応援と星とフォローのほどよろしくお願いいたします。皆さんの星や応援、フォローがほんと自分のモチベになってるので。
それではまた次の話でお会いしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます