第10話 地獄
急いで家に帰ってきた俺だが、もうすでに俺の宝物はすでに公開されていた。
「いろいろ言いたいことはあるけど、なんで姉さんそれ知ってるの?」
「お姉ちゃんは康太のことなら何でも知ってるんだよ!」
ドヤ顔で姉さんが言う。あぁ頭いてぇ。
「こーくん、、、浮気は許さないよ?」
「浮気どころか俺ら付き合ってないだろ・・・」
「何言ってるの?私たち三人で付き合ってるじゃん」
・・・今なんて言った?こいつ
唖然とする俺をよそに姉さんと亜紀が話している。
「もう!なんで亜紀ちゃん先に言っちゃうの!?それは今晩康太の部屋に行ってからっていう話だったじゃん!」
「ごめんね?雫さん。でもこーくんがこんな女に浮気してるって思ったら我慢できなくて、、、」
「それはわかるけど、それについては康太にお仕置きするって話してたじゃん」
どうやら俺の知らないうちにお仕置きが確定していたようだ。確かに俺がそういう本を買っていたのが悪いのだが・・・
でも健全な男子高校生ならしょうがないと思うんです、はい。
そんな言い訳が通用するはずもなく二人の話はまだ続く。そろそろ姉さんにされている正座がつらいのですが。
「もうこうなったらしょうがないから私たちと付き合うことをお仕置きにしよっか」
「そんな感じで付き合うのは嫌です。こーくんにちゃんと認めてもらって付き合うのがいいです」
「でも私たちと付き合ってって言っても康太はOKしないでしょ。ねぇ康太」
そういって俺に振られたが、正直言っていきなり言われても困る。
そう姉さんに言うと、それもそうかと言って苦笑していた。
そこで俺は気になっていることを二人に聞くことにした。
「ところで二人はいつからそんな仲良くなったの?俺が家出るときは仲悪かったよね?」
俺が正座を崩しながらそう聞くと、亜紀が笑顔になりながら答えた。
「あのねこーくん。私たちはどっちがこーくんにふさわしいかを争ってたんだよ。でも雫さんも私も同じくらいこーくんのことを愛してるってわかったの」
「それで私も亜紀ちゃんとは仲良くしたかったし、それなら二人で康太の彼女になろうってことになったの」
亜紀に続いて姉さんも笑顔で言う。
「こーくんが戸惑うのもわかるの。急に二人と付き合ってって言われてるし、私でも戸惑うもんそんなの。でもねこーくん、ちゃんと考えて結論を出して欲しいの」
「私もさっきはお仕置きで付き合えとか言ってたけど、やっぱり康太から進んで付き合ってもらうのが一番嬉しいかな」
二人にそう言われて、俺は二人との思い出を振り返っていた。
亜紀と出会ったのはそれこそ生まれた時から。俺の母さんと亜紀の母さんは高校生からの親友で、俺と亜紀は生まれた日も同じで、母さん達の病室も隣だった。
そこから俺と亜紀はすくすくと成長し、幼稚園でもいつも二人で一緒に遊んでいた。小学校でも俺は成績がよく、いつも先生に褒められていて亜紀によく勉強も教えていた。
小五になってすぐ、亜紀の両親は交通事故で亡くなってしまって一時的にうちで亜紀は暮らしていた。しかしそれがクラス中に知れ渡ってしまい、亜紀は親無し子としていじめられて、いつも泣いていたのを俺がかばって慰めていたのはよく覚えている。
小六で亜紀のいじめはなくなり、近くの亜紀のおじいさんの家に引き取られることになったが、俺の中学受験で母さんがピリピリしていて亜紀と遊べなくなったと伝えたときのあの今にも泣きそうな顔は今でも胸を締め付けられる。
亜紀が小六の中ごろに遠くの親戚の家に引き取られることになったと伝えられた時は二人して泣きあった。でもお別れの時にした約束を今でも覚えていてくれたのは本当に嬉しい。
姉さんは亜紀がいなくなり、すっかり腑抜けてしまい、セミの抜け殻となってしまった俺をあちこちに連れまわして元気づけようとしてくれたことには今でも頭が上がらない。ちなみに俺が中学生で陰キャになったのも亜紀いなくなって意気消沈していたからだ。
そんなことをしていてくれた姉さんに俺はなつき、その姿はもはや姉弟を超えていると俺の親戚にからかわれたこともそう少なくはない。
ここまで考えて俺は二人に答えを言おうと、立ってずっと俺が答えを出すのを待ってくれていた二人のほうを向いた。
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どうも始龍です
最初にお知らせから入らせていただくんですが自分、毎日21時更新と書いていたんですけど、これをやめて毎日更新にしようと思います。つまり時間はその日の気分次第ということになります。ちなみに自分の中の一日は0:00~26:00なのでそこのところよろしくお願いします。
さてさて今回の話はかなり読みにくかったと思います。ほんとすみません。でも伏線を回収しない作品はごみカスの理論が自分の中であるからね。次からはもうちょい読みやすくなるとは思います。というより気を付けます。
また今回もいつものようにこの話がもしよろしければ応援と星とフォローよろしくお願いします。もうほんと作者の励みになってるんで。
それではまた次の話でお会いしましょう。
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