第9話 秘密の話
俺たちは純一が大事な話があるというのでスーパーの近くのカフェにいた。
入ってもしばらく純一は世間話して、なかなか本題に入らなかったがいい加減
夕飯の支度もあるのでせかした。
「お前大事な話があるってんで呼んだんだろ?もったいぶらずに言えよ」
「わかった、、、 お前中二の時に転校してった奥本美咲って覚えてる?」
「知ってるも何もさっき家に来てたし。それで?美咲がどうしたんだ?」
そこで純一は一旦言葉を切り、なぜか顔を赤くした。
「実はな、俺な、その奥本のことがな、好きなんだよ」
「お前それ隠せてたつもりなんか?」
「康太知ってたのか!?誰にも言ってねぇのに!」
「お前あれで隠せてたつもりなのか!?」
なぜ隠せていると思っていたのだろう。純一は中学生の時から、俺と馬鹿話しているときに美咲が来たら急にしゃべらなくなったり、挙動おかしくなったり、まるわかりなのだ。
ばれてないのは想われてる美咲ぐらいのものだろう。
「お前大事な話ってまさかそのこと?」
俺が聞くと、純一は頭を振って否定する。
「いやそれに関係するんだが、俺は奥本さんと付き合いたいからお前に手助けをお願いしたいんだ」
「別に手助けをしてもいいがお前から見て美咲はお前のことどう思ってんだ?」
俺が聞くと純一は困った顔をしながら、
「別に嫌われてはないと思う。というか嫌われてたら俺が泣く」
「それじゃあ美咲がお前のことをどう思っているのか全く分からないってことか」
俺がそういうと純一は泣きそうな顔になる。
下手に恋愛相談に乗ることになりかけたが、今抱いている懸念事項を相談することを対価にして相談に乗ることにしよう。
「おい純一。お前らの渡し役になってやるから、俺の相談も聞け」
俺がそういうと、純一は泣きそうな顔から一転して満面の笑みを浮かべた。
「お前を友達にもってこの日ほど感謝したことはない!!!」
あんまりの喜びようにむしろちょっと引いてしまった。
「それで康太の相談ってなんだ?」
しばらく喜んだあと、純一は俺にそう聞いてきた。
「実はな、小学六年生の時に遠くに引っ越してった幼馴染がいるんだ」
「ラノベかよ」
ぶっちゃけ俺もそう思うが、いきなり話の腰を折ってきた純一にイラついたので、無視することにした。
「それで引っ越す直前に帰ってきたら付き合うって約束してて、さっきほんとに帰ってきて家に訪ねてきたところを姉さんに見つかって、姉さんにも告白されたんだけどどうしたらいいんだ?」
俺が話終わると純一は般若のような顔をしながら聞いてきた。
「まず一つ聞きたいんだけど、お前の姉さんってあの遠藤雫さんだよな?」
「なんでお前知ってるの?姉さんと会ったことあったっけ?」
「あの人中学生の時から学校の有名人だぞ!!!!美人で優しくて料理もできてしかも成績優秀!!!そんな人がなんでお前なんかに!!!」
純一のあんまりのいいように少しむかついた俺は意趣返しをすることにした。
「純一の今の言葉そっくりそのまま美咲に伝えとくわ」
俺がそう言うと純一はまた泣きそうな顔をしながら俺に縋り付いてきた。
「本当にごめんなさい、、、。奥本さんには言わないでください、、、」
あんまりにも懇願してくるので俺は許すことにした。
そうしていると俺のスマホが鳴り、姉さんからライスが来ていた。
『そろそろ帰って来ないと亜紀ちゃんに康太の部屋のクローゼットの中に隠してあるもの見せるよ』
姉さんから死亡通達のようなライスが届いたので、急いで帰ることにした。
ちなみにクローゼットの中には、俺の夜のお供が入っている。
そのことを純一に伝えると、
「それはお前急いで家帰れ!!!早くしないと家の雰囲気お通夜になるぞ!!!」
という大事なことを言ってきたので急いで俺は自分の分の代金を置いて家に走っていった。
_____________________________________
どうも始龍です
今回はかなり終わりが微妙になってしまったんですけど、ここで区切らないと話が長くなってしまうので切らせていただきました。完結はまだずっと先なのでお楽しみに!
また今回もいつものようにこの話がもしよければ応援とフォローのほどよろしくお願いいたします。作者の励みになるんで。
それではまた次の話でお会いしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます