第27話

 次の日からアズミ達の反攻が開始された。


 今日、アズミとハインツはオーシャンビューが楽しめる海辺のレストランに来ていた。そこへ当然のようにチリーヌ王女が現れる。


「あらあらあらあらっ! まぁまぁまぁまぁっ! ハインツ殿下にアズミ様! 偶然でございますわねぇ! お二人も今日はここでお食事ですの!? もしよろしかったらご一緒しませんこと!? 私、一人っきりで食事をするつもりでしたが、やっぱり一人は寂しくて...たまたまここでお会いしたのも何かのご縁! 是非ともご一緒させて下さいませ! ね? ねっ? ねぇっ?」


 と、ここまでは前回と一緒。だがしかし、


「オンナダイスキー出動!」


「えっ!? えっ!?」


「ハァ~イ♪ ベイビー♪ 僕がお相手してあげるよ~♪」


 バラを咥えてオンナダイスキー降臨!


「あ、あなた誰ですの!?」


「さぁさぁ~♪ ご一緒に~♪」


「あ~れ~!」


 見事にチリーヌ王女をお持ち帰りしてくれたとさ。めでたしめでたし。



◇◇◇



 その日、カズミとマインツは王都で大人気のサーカスを観に来ていた。そこへ当然のようにチリーヌ王女が現れる。


「あらあらあらあらっ! まぁまぁまぁまぁっ! マインツ様にカズミ様! 偶然でございますわねぇ! 私、このサーカス団の大ファンでして、本日の公演を楽しみにしておりましたの! ご一緒に楽しみましょうね!」


 と、ここまでも前回と一緒。だがしかし、


「オンナダイスキー召喚!」


「えっ!? えっ!?」


「君の瞳に乾杯♪」


 バラを咥えてオンナダイスキー登場!


「またあなたですの!?」


「さぁさぁ~♪ 麗しの君♪ 僕とご一緒に~♪」


「あ~れ~!」


 見事にチリーヌ王女を引き取ってくれたとさ。重畳重畳。



◇◇◇



 さすがに懲りたのか、その後のサズミとヤインツのキャンプ場デート、タズミとラインツの温泉街デートの時は、チリーヌ王女は現れなかった。


 せっかくオンナダイスキーを待機させておいたのに無駄になった。というより、相手が来なかったオンナダイスキーはその代わりとばかりに、それぞれサズミとタズミを口説こうとした。


 それを止めようとしたヤインツとラインツとの間で、あわや流血の惨事に発展しそうになったりした。


 改めてオンナダイスキーという存在は諸刃の剣であるのだと全員が理解した。


 そこでいったん緊急ミーティングが開かれた。お題はズバリ、


『オンナダイスキー作戦を継続するか否か』


「皆さん、率直なご意見をお願いします」


 場を仕切るのは復帰したアズミである。ナズミとは和解したらしい。


 するとそのナズミが手を上げた。


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