お節介だと思ってた
初めてのお友達
初めて言われた「また明日」私にとってすごく心に残っていて、まだ耳に残っています。
ピピピッ!ピピピッ!
アラームの音で私は目を覚ましました。
「……ん」
朝は苦手ですが学校には行かないと行けないので自分に喝を入れて布団から出て下に降りました。
「……おはよう」
「おはよう
笑顔で私におはようと言ってくれるのは私のお母さんです。
「相変わらず夏奈は朝が苦手だな」
私の眠たそうな様子を見て笑っているのは私のお父さんです。
私の両親は朝に強いのになぜ私はこんなにも朝に弱いのかなぜそこの遺伝子は受け継いでいなかったのか、そこだけは文句を言いたいと思っています。
「早く寝てるんだけどね……ふぁ」
欠伸をひとつしてから顔を洗いに行きました。
やはり顔を洗うと目が覚めます。
さっきのだらしなさは消えていつもの私になります。
「今日のご飯は……やった!サンドイッチある!それも卵の」
私は卵のサンドイッチが大好きで、いつも食べています。
お母さんに「飽きないの?」と言わたこともありますが、好きな物を飽きることなどないのです。
大袈裟かもしれませんが卵のサンドイッチが恋人と言っても過言ではありません。
「いただきます」
幸せな時間を堪能しながら私の朝は始まりました。
ご飯を食べ終わってカバンに荷物を詰めながらニュースの占いを観ています。
順位はぼちぼちそんな時は少しだけ信じて、玄関に行きます。
「行ってきまーす!」
私は元気よく家を出ました。
しばらく歩いていると後ろから走って来る音が聞こえます。
きっと速く行かなければいけない用事があるのだろう頑張ってくださいと思っていたら。
トントンと肩を叩かれました。
後ろを振り向くと【ようすけ】くんがいました。
「おはようございます」
「おはよういや〜朝から
嬉しそうにガッツポーズをしながら喜んでいます。
「あれ?ようすけが女の子イジメてる〜」
女の子の声がしますそして隣にいた【ようすけ】くんの「ぐぇ」という声が聞こえて私の後ろに下がりました。
【ようすけ】くんの首根っこを掴んで彼女は離しません。
綺麗な黒い髪の毛を束ねている女の子で背中に竹刀を担いでいます。
「何すんだよちひろ!ちげぇよいじめてないから!」
「ふーん……いじめられてるかどうかはその子に聞けばいいからようすけの意見は聞いてない」
そう言ってから彼を離して私の目の前に来ました。
近くで見ると益々綺麗で見とれてしまいます。
「アタシは
「あ、私は
そう言うと美人さん……東堂さんは安堵の声を漏らしました。
「てっきりようすけが藤白さんの事をいじめてたのかなって……早とちりだったみたいごめんねようすけー」
「お前全然反省してないだろ?俺は藤白さんに会えてすっげぇ嬉しかったのに!2人っきりだったのに!お前邪魔すんなよ?!」
目に涙を浮かべながら【ようすけ】くんは言います。
「あれ?2人って付き合ってるの?」
「付き合ってないです」
私は反射的に返しました。
「付き合ってないけど付き合う予定」
私は彼の言葉に驚いて凝視しました。
「なんで藤白さんは驚いてるの?言ったじゃん好きだって好きな子諦めるほど俺の恋は軽いものじゃないよ?……俺先に行くね、また後で·····おい千紘、藤白さん頼んだぞ」
そう言って【ようすけ】くんは一人で歩いていきました。
「行こっか、藤白さん」
優しい笑顔で東堂さんは言ってくれました。
「へぇ〜ようすけから告白してきたんだ」
「はい急すぎてびっくりしました」
「あはは!アイツらしいや」
東堂さんは豪快に笑います。
「あの……東堂さん」
「ん?千紘でいいよ?」
「……千紘さん」
私がそう言うと彼女はムッとします。
「ち・ひ・ろって呼んでよ藤白さん」
「……千紘、ちゃん」
「やった」
何が嬉しいのかは分かりませんが彼女は喜びました。
「千紘ちゃん……あの私も夏奈って呼んでください、私だけ呼び捨てなのも……その平等じゃない気がして……」
「·····!、全然いいよ!じゃ改めてよろしくね夏奈!」
千紘ちゃんは私に手を差し出します。
私は恐る恐るその手を握りました。
誰かと握手するのは初めてでドキドキしました。
「あ、あの千紘ちゃんに聞きたいことがあって」
「なに?」
「あ、あの人のお名前知っていますか?【ようすけ】ってlineに書いてあったんですけど、合ってるのか分からなくって、」
「あいつ名前言わなかったのか……うーんそう言うのは自分で直接聞くのが1番だよ」
自分で聞く……私があの人に?
「大丈夫だって!あいつ、ああ見えて気遣い出来るやつだし仲良くできるよ、私が保証する!」
「そう……ですか、が、頑張ってみます」
「頑張って!何かあったらすぐに言ってね」
グッと拳を握りながら彼女は言います。
「心強いです、ありがとうございます」
「あ〜あ、もう着いちゃった、もっとお話したかったのに、夏奈って二組だったっけ?」
「はい、その千紘ちゃん……また声を掛けてくれるんですか?」
千紘ちゃんは目をぱちくりさせます。
私何か変なこと言ってしまったかと不安になります。
「あ、その千紘ちゃんい、今のは無かったことに……」
「え、やだ、絶対やだ」
即答されました。
「夏奈、私は夏奈事友達だと思ってるよ?自分のことそんな下に見なくていいんだよ、そういう時はまた話そうねとかそんなんでいいんだよ、そう言ってくれると私は……嬉しすぎて泣いちゃう」
真顔で言い切りました。
人前で抱きつかれるのは恥ずかしいですが、私は勇気を振り絞りました。
「千紘ちゃんまた……そのお話したいです」
無言で静かに抱きしめられました。
「夏奈可愛いなぁ……」
しばらくこの状態が続きます。
周りの視線が私たちに向いています。
「あー!おい千紘!藤白さんから離れろ!」
私たちの方へ全力で走ってくる人が見えます。
【ようすけ】くんです。
「いいでしょ〜?」
私を離して誇らしげに千紘ちゃんは胸を張ります。
陽介くんは肩を掴んで千紘ちゃんから引き剥がします。
「羨ましすぎてキレそう……大丈夫だった?藤白さんこいつなんか変なことしてないよね?」
「大丈夫です千紘ちゃんすごくいい人で助かりました」
【ようすけ】くんは目を見開きました。
「藤白さん今····千紘ちゃんって……」
「はい、千紘ちゃんがそう呼んでくれって……」
「俺の事名前で呼んでくれないのに……」
「あの、それは……」
貴方の名前を知らないなんて言える訳もなく。
どういえばいいか考えているとチャイムがなりました。
「あ、予鈴ほら行くよ」
ズルズルと彼を千紘ちゃんは引きずります。
陽介くんは引きずられながらこちらに手を振ってきます。
「藤白さんまた放課後時間空いてたらグラウンドに来てー!俺、部活頑張るから!」
「は、はい!」
私は引きずられていく陽介くんが教室に入ってから私は教室に入りました。
「ここはテストに出るので、しっかりマーカーしといてくださいね」
黒板に書かれた事をノートに写しながら話を聞いています。
ふとした時に朝の事を思い出して、少しだけ頬が緩みそうになります。
初めてできた友達嬉しくないはずがありません。
私は、いつもの昼休みが騒がしくなるな思いながら、胸の高鳴りを落ち着かせて先生の話を聞いていました。
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