犬山城(日本100名城No.43)

 岡崎城から東岡崎へ戻り、再び名鉄に乗って次の目的地に犬山城に向かう。

 1時間と少し掛かり、犬山駅に到着した。

 そして、犬山駅から徒歩で犬山城に向かう。


 今日は暑いので、皆、さすがにバテ気味だ。

 途中、自販機でドリンクを買って、各自、水分補給しながら進む。

 汗をぬぐいながら、徒歩15分ばかりで、ようやく犬山城のある丘の麓に到着した。

 岡崎城の傍に龍城神社があったように、ここには針綱神社という神社があった。


 天守閣のある丘の上に向かって、息を切らせながら坂を上る。

 上杉先輩が声を掛けて来た。

「ちょっと、後ろから押して」


 しょうがないなあ。僕は、上杉先輩の背中を押して坂を上って行った。


「おお、楽チンだ。ありがとう」

 上杉先輩は礼を言ってくれたが、僕は余計に疲れたよ。


 そして、坂を上り切って犬山城の天守閣のあるところまで到着した。

 皆、ほっと一息ついて、天守閣を見上げた。天守閣は現存天守で国宝に指定されているそうだ。

 伊達先輩によると、犬山城は織田信康が築城したという。


「織田信康と言うと、織田信長の親族ですか?」


「信康は信長の叔父さんね」


「そうなんですね」


「面白いのは、このお城は最近まで個人所有だったのよ」


「個人所有?! お城が?」


 ちょっと驚きだ。


 僕らは、犬山城の天守閣に登るために行列に並ぶ。少し待って天守閣のてっぺんに到着した。

 手すりが低くて、身を乗り出すと転落しそうだ。気を付けよう。


 足元に気を付けながら、辺りの風景を見渡す。

 ここもなかなかいい景色だ。すぐ近くを流れる木曽川が良く見えた。


 そして、ここから、同じく日本100名城である岐阜城が見えるという。

 目を凝らして見てみたが、僕にはよくわからなかった。


 天守閣を降りて、近くの椅子に座って休憩する。

 ドリンクを飲みながら15分ばかり雑談をする。


「じゃあ行きましょう。今日の宿はこの近くだから、もう少し頑張って」

 伊達先輩が僕らを鼓舞する。彼女の額にも薄っすらと汗がにじんでいた。


 これまでの長距離移動で、もうこれ以上の移動は勘弁願いたいところだった。なので、宿がここから近いのは助かる。

 そして、まだ眠い。まだ夕方だけど、ちょっと寝たい。


 僕らは最後の力を振り絞って、犬山城から徒歩で10分ばかりのところにある、木曽川の傍の旅館に到着した。

 早速、伊達先輩にチェックインしてもらうが…。

 和室で、4人同じ部屋ということだ。


「僕、皆さんと同じ部屋って大丈夫ですか?」

 僕は困惑して尋ねた。

 旅館でよくある和室のようだが。


「4人だと、同じ部屋の方が安上がりなのよ」


 伊達先輩はそういうが、ちょっと引っかかるなあ。


「まあ、キミが変な気を起こしても3対1なら勝てるでしょ」

 上杉先輩がニヤつきながら言う。


「変な気なんか起こしませんよ」


 それより、今は一旦寝たい。


 そんなこんなで、歴史研一行は部屋に到着する。

 僕は荷物を置く。そして、畳の上にそのまま寝転がった。

「疲れました。少し寝ます」


「アタシもちょっと休むわ」

 上杉先輩も畳に転がった。


 伊達先輩と毛利さんは、窓際の椅子に座るのが見えた。

 そして、僕は眠りについて、意識を失った。


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 犬山城の情報

 https://inuyama-castle.jp/

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