第9話 3日目④身体測定
ルンルン♪気分で村に戻り肉屋さんに行き一角兎4羽を納品。
「おぉ今日は大量だね。全部買い取りで良いのかい?」
「いえ、1羽引き取りたいので後でまた寄ります」
「じゃこれ伝票ね」
ギルドに入り薬草を納品して伝票も渡す。
「お昼に納品した薬草瑞々しくて状態良かったわ。普通一本150ギルだけど160ギルで計算するわね。月見草30本と毒ダミ草20本で合計8000ギル。一角兎4羽の1羽肉引き取りで5800ギル。合わせて13,800ギルから10%税金引いて12,420ギルよ」
残金40,680ギル
「はい、それでお願いします。ちょっと聞きたい事があるので精算終わったらお時間頂けますか?」
「じゃプレートを翳して。現金渡すわ。聞きたい事って何?」
「今日初めてレベルアップしたんですが、レベルアップした時にはHPやMP回復するんですか?」
「新しい上限の半分回復するわよ。例えばこう20/50だとするじゃない。レベルアップした時のMPの最大54なら半分の27回復して47/54ってなるのよ」と紙に書いてくれた。
「なるほど良く分かりました。それじゃ複数の魔獣と戦ってる最中にレベルアップして、HPやMP回復して勝てたなんてラッキーもあるんですね」
「そう、そう言うラッキーもあるわ」
「今日レベルアップした時に結構ギリギリの残りMPだったんですよ。最後3羽の一角兎に囲まれて一気に3羽倒してレベルアップした次第で…正直焦りました」
「あれ?昨日2羽で午前中に1羽で自分で3羽倒してるわよね!?ダイチ君レベル1から2に上がったんでしょ。普通2〜3羽倒せば1から2に上がるわよ!」
「ええ、確かにその通りですが、僕は4〜6羽の時に初めて上がったんで4羽、5羽、6羽の時のどれかは分かり兼ねます」
「あくまでも推測だけど、仮に6羽目でレベルアップしたなら普通の人の2倍経験値が必要だった可能性があるわ。プライバシーに関する事だから答えなくても良いけど、ステータスどの位上がったの?」
「ええと、HPが30から+5、MPが20から+5、攻撃力と防御力が10から+4とかそんな感じです。」
「初期値は普通の人と同じくらいだと思うけど、上がり方が少し多いかもね。HPやMPは普通3〜4アップだし、攻撃力や防御力は2〜3アップよ」
「魔法攻撃力と魔法防御力は5から1しか上がりませんでした」
「それはちょっと少ないかな。クス。でもこれは個人差あるし、あくまで初期の冒険者の話し。レベル10以上になると冒険者以外の職業に転職出来るの。剣士になればHPや攻撃力や防御力が多めに上がる。魔術師になればMPや魔法攻撃力や魔法防御力が多めに上がるのよ。勿論転職すればその職業のスキルを速く覚えるしスキルレベルも速く上がるわ」
思わず「へぇへぇへぇ、3つへぇボタン押しました」
「クス、何それ?」
「いや、何となくです。テヘ」
「最初は皆んな職業は冒険者。レベル9までは兎に角辛抱して死なないように頑張りなさいね」
「あ、肉取りに行かなきゃ。訓練所使えるですよね?また後で来ます」
ギルドを出て肉屋に寄り、竹皮に包まれた兎肉を持って炭焼き職人のヘンリーさん宅に向かった。
「これ竹水筒のお礼です」
「そんな余った竹で作った物だしお礼なんて。君は成人したばかりなのに義理堅いね。突き返すのもなんだから遠慮なく戴くよ」
ヘンリーさん宅を後にし雑貨屋に向かった。
服は一着しかないしズボンはあいつのせいでお尻に所々小さな穴が開いている。何か良い商品はないか物色だ。
「おう、ダイチ君いらっしゃ〜い。」
毎日のように顔を出すので店主のクリケットさんも砕けて来た。
「いや、直ぐにって訳ではないんですが、洋服を見させて欲しいんです。」
「ふむふむ。とりあえず身長や胸や腰周りを測って置きましょう。そこの柱に背を付けてピンとして下さい。」
メジャーを取り出して色々測って貰った。
身長170cm体重62kg足27cm
胸囲80cmウエスト69cmヒップ78cm
股下78cm太股51cmふくらはぎ35cmだった。
「う〜ん。身長は平均的な男性のサイズですが、全体的に細っそりしてますね。成長期なんでまだまだ縦にも横にも伸びると思います」
「身長はまだ伸びるんですか?」
「12〜15才くらいが一般的には一番伸びるんですが、稀に15才過ぎからグ〜ンと伸びる人もいますね。どちらにしても20才くらいまでは少しずつでも成長します。」
「確かに自分でも他の人と比べるとガリガリ・ガリクソンだな」と思っていました。
「ん?ガリクソン?」
「ぷ、何となく語呂が良かっただけです」
「お肉を沢山食べて牛乳も沢山飲むと骨も強くなると思いますよ。ちょっとズボン試着してみます?サイズが少ないので少しブカブカかもしれませんが、サラシを巻けばいけると思います」
黒い牛革と茶色の馬皮の二本試着させて貰ったが、どちらも両手が入る程ブカブカだった。
「サラシを巻いてベルトで調節してみて下さい」
言われた通りにしてみると2cmぐらいの余りで、ベルトを絞めると後はしっくり来た。
「裾は3cm余ってますが折り返して置けば身長伸びても大丈夫です。皮素材で耐久性もバッチリなんで10年は持ちます。今ならサラシもサービスで付けますが如何ですか?」
「もうクリケットさん商売上手なんだから。お幾らですか?」
「牛革が5000ギルで馬革が8000ギルです」
「それじゃ、こっちの黒い牛革の方で」
「毎度あり〜。シャツは下着は如何ですか?」
紺色のダンガリーシャツとトランクス型のパンツと木綿の下着も一枚ずつで合わせて5000ギルで買わされ、合計1万ギルの出費だった。
残金30,680ギル
18時を過ぎていたがギルドに戻り訓練所を利用させて貰った。
「ほぉ〜結構広いな。縦15m横8mくらい有りそうだ。端っこには弓の的が2つあり、矢の先を丸めた物や弓と木剣や防具等が置いてあるんだ。」
先ずは基礎体力作りだ。腕立て伏せ30回腹筋30回っと。次に1m間隔で3本線を地面に引いた。
「イチニッサン イチニッサン アン、ドゥ、トロワ。アン、ドゥ、トロワ……」30回反復横跳びをした。
この3つを順番に3セット。
次は素振りだ。
青銅のショートソードを取り出し足を前後に動かしつつ、上下に30回。
次は正眼に構え剣を頭の上に振りかぶり、右足を斜め右に踏み込み、剣を斜めに胴に振り下ろす。これも30回。
次は剣を下段に構え左下から右上に振り上げる。これも30回。
これら3つも3セットやったらクタクタになりへたり込んでしまった。
2時間程経っていたので宿に帰った。
「ダイチ君おかえり〜。今日は遅かったわね。何かあったの?」
「ただいま〜いや、何もなかったのですが、ギルドの訓練所で体力作りしてました。明日からも遅くなりそうです!?」
「夕飯はどうする、食べて行く?」
「勿論です。もうお腹ペコペコで。牛乳いつもの倍でお願いします。」
「いいけど倍だと2杯で1リットルよ。そんなに飲めるの?」
「今日雑貨屋さんで身体測定したんですが、やっぱり普通人よりガリガリなんですって。沢山食べて牛乳飲まないと体力付かないって言われまして。それから女将さん宿代まとめて払っても良いですか?一日2000ギルと夕飯が500ギル前後だから4日分で1万ギル。夕飯代の足りない分は次払う時に請求して下さい」
「勿論OKよ。そっちの方が助かるわ」
宿代1万ギルを払い夕飯もあっという間に平げ部屋に戻った。
残金20,680ギル。
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