エレメント・ヒーロー戦①
宇宙戦艦作りは楽しかった。
実際には宇宙には行かないけどね。
術式を書いた魔法陣を埋め込んだ精霊石ディスクを数枚準備した。
枚数が多い方は燃料作成用、つまり水から水素と酸素を作り出すディスク。
後の四枚は燃料の水素と酸素を混合させ爆発燃焼することで船を推進させるためのディスクだ。
そして燃料を作り出すことが先決なので燃料作成用のディスクの方が多く作ってあった。
なお、燃焼用のディスクは4枚準備して、左右にある上下の燃焼ノズルに取り付けた。
ディスクが出来上がると、燃料タンクにディスクを数枚セットし水を作り出してタンクを満タンにした。
そして水素と酸素に分解する反応を開始させた。
工作の時間が終わると、燃料の水素と酸素がたまるまで少し余裕が出来た。
「少し時間が掛るな、そうだ、ジャーギルとか言っていたな」
そんな名前だったかな?
俺を召喚し砂漠に捨てた奴の名。
さっきから索敵に浮かび上がる者、その中に感じるこの感覚は間違いなく奴だ。
その横に居るのは人では無い、どちらかと言うと昆虫みたいだから、あの時の蟻頭か?
奴は
後、もう一人付いているが、たぶんこっちも特殊な感じで人ではなさそうだ。
たぶんだが、もう一人いるとか言っていた
奴らは、こちらに向かって真っすぐにやってくるようだった。
なるほど・・敵国の領地だと分かっているのに、ここまで来るとは・・・
それも真っすぐこちらに向かってくる、狙いは間違いなく俺なんだろう。
燃料が完全に準備できていないので、発進迄少し時間がある。
つまりこのままでは奴らは此処に来てしまうだろう。
「
そうだ、みんなに被害が出る可能性もある。
それより
「そうさ、俺が
そう言うと俺はラミアの所に行って敵が来たからやっつけてくると言って出て来た。
ラミアはフェスリーを見守っていたし、俺は特に敵が何者かも言わなかった。
ある意味、ラミアには信頼されているのだろう。
安心して奴らを迎え撃とうとしていたが、後ろから声がする。
「ジェイ、僕も行く」
「大丈夫だ、お前は此処で待って居ろ」
「なんでだよ、僕も役に立つと思うよ」
「王女を守るのがお前の使命だろ、俺を守るのはお前の使命ではないだろ」
「僕も戦いたいんだ、もっと戦いを経験して強くなるんだ」
「今回はダメだ、船の出発準備が出来る頃には帰って来る、お前は王女を守り、そしてこの船を守っていてくれ、頼む!!」
何故だろう、役割を言うと素直に従うようだった。
彼もそれなりに成長しているのかもしれない。
俺はサンダーボードに乗ってジャーギル達の所に向かった。
奴らの所まで近づくとサンダーボードを降りて歩いた。
向こうでは俺が何処に居るのか分かるようで話しかけて来た。
「ミナカミだったかな?
さっき居られた場所からここまで来るのがとてもお早いですね。
もしかすると
それであれば丁重にお迎えいたしますよ。
もし目覚めていないのであれば、残念ですがここで自然な消滅をしていただきます」
「なんで俺がここに居ると分かるんだ?」
「召喚石は召喚した者が死なない限り居場所を教えてくれるんですよ。
それと召喚石は貴方が生きていると別の召喚者が召喚出来ないのです。
つまり新たな
なるほど召喚石かあれが奴らの所にある限り狙われるわけだな。
「残念だったな、俺は
俺は人間さ!!」
そう言うと奴らの所に向かって行った。
俺が
奴らは余裕の有るような顔をしていた。
ジャーギルは横の蟻頭に話をしていた。
「
そう言われて蟻頭が炎を大量の矢のように飛ばしてきた。
炎は強くなく致命傷を与えない程度の炎なのだろう。
もちろんそんな炎は全く問題は無かった。
結界を張れば問題はない。
攻撃されても平気な俺を見てジャーギルは驚いていた。
「なんなんだ、貴様は
貴様は最初から魔法が使えたのか?」
「魔法なんて知るかよ。それよりその石を寄こせ」
その時ツルのよう紐状のものが俺にまとわりついて来た。
そうかもう一人は
でも大丈夫ラミアがくれた剣で・・・
「しまった剣は今は船になっている」
どうやら俺は武器を全く持たないでやってきたようだった。
ツルのようなものは俺の全身を縛って行く。
それを見てジャーギルは嬉しそうだった。
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