第10話

「おい。着いたぞ。入れ!」


「はいはい。入りますよ。失礼します〜」と俺がドアを開けると


パン パン とクラッカーがなる。


そこには生徒会にようこその文字といちごのケーキがワンホールあった。


「おめでとう」 「おめでとう〜」 「おめでとう!」


先生に先輩二人が拍手で迎えた。


(これは何だろうあのエ◯◯の最終回を思い出すな〜)


「先生これ知ってたんですか?」


「まぁな。今日のお昼に言われた時はどうしようかと思ったが」


まさか俺がお昼断ったからかな?そうだったら申し訳ないな〜


「すいません俺なんかのために。ありがとうございます」


「いい。座って食べよう」と会長に言われたんで座った。


「んじゃあ切り分けるね」と副会長の神奈月先輩が切り分けた。


みんなにケーキが行き渡ったら


「「「「いただきます」」」」と言い食べ始めた。


「!これうま!苺もうまい!!」俺は絶賛していた。いや冗談抜きでうまい!甘さも控えめだしいちごまでうまい。


「それはよかった」と少しだけ笑顔になる有栖会長。


この人、表情が無表情なだけで案外優しい人なんだな。


「紅茶もどうぞ」と副会長の神奈月先輩が紅茶も出してくれる。


「でも、何でケーキまで用意してくれたんですか?」


「なんかね。有栖が近衛くんのこと怒らせたって慌てていたからそれじゃあ歓迎会でもやったらって有栖に言ったらこうなったの」


歓迎会って大袈裟な。ここまでされたら逃げゲフンゲフン。戦略的撤退もできないじゃないか。


「それにしても本当にうまいな!どこで買ってきたんだ?」と冬美先生が聞いた。


食いすぎだろ。太るぞ。


「有栖の家の人が作ってくれたそうですよ」と答えてくれる神奈月先輩。


「如月先輩の家すごいですね。いつから歓迎会やることになっていたんですか?」


「今日の昼」ときっぱり答える如月先輩。


「へぁ?マジですか?」


「マジ」


「本当ですか?」


「本当」


どうやら本当みたいだ。何やら嘘ついてるようにはみえない。


すげえな如月先輩の家。


「如月先輩の家ってお金持ちなんですね!すごいです!」


「いやお前。一人(ひとり)が何で知らないんだよ」責めるようにいう冬美先生。


「何ですか?」


「如月財閥のCMもやってるしとかIT関係や建築なんかも如月財閥が作ってるだろ。ここの学園のスポンサーもやってる」


「そんなすごいところなんだ。まさか神奈月先輩も?」


「彼女は旧家の令嬢だ。神奈月家は日本古来からある。確か平安時代から続く家だよな?」


「はい。近衛先生」すごく優雅に言われてしまった。正直綺麗だなと思った。紅茶飲みながらだとザ・お嬢様だよ。


「へぇ〜二人ともすごい家なんですね」俺は美味しい紅茶を飲みながら聞いていた。


「でも近衛先生たちも有名な旧家じゃないですか?有名ですよね?」と神奈月先輩に言われた。


「う。うちはな〜な?一人?」冬美先生が言いづらいそうにこちらにふる。


「う。こっちに振るなよ〜」


「なんかあるの?」と如月先輩も聞いてくる。


「聞きます?あんまり面白い話じゃありませんよ」




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