第21話 ラブストーリー(sigh with love)
風が冷たかったり、人が冷たかったりしたときに何人かの女性が脳裏をよぎる。
「坂口さん」はそんな中のひとりだ。
───────────────────♡
「仕事をしなさい」
「は~い」
僕が店内の事務所で仕事をしていたら、いつの間にか後ろから僕を見ていた。いつからだろう……僕の側に近寄ろうするようになったのは。普通に考えれば間違いなく僕のことが好きだ。だろ?
僕は26歳。彼女も同じだ。僕はファミレスで時間帯責任者をしていた。
深夜の時間帯に欠員が出たため彼女を採用した。
「深夜の時間帯だけ自由になれるので働きたいです」って言ってたよな……。顔は
S級。お姉さんがアイドルしていると聞いた。身長は155㎝でスタイルもS級。お金が必要だと切迫した感はまるでなし。遊びに来ているような感じだ(それでは困る!)
働き始めて3ヶ月かな。彼女目当てのお客様が3組くらいできて、帰る時は裏口からこっそり帰えした。
坂口さんの
「いらっしゃいませ」
「ありがとうごさいます。またお越しくださいませ」で、
また来ないお客様の方が珍しくなった。
来客数前年同月比130%で彼女には頭が上がらない。それで好きにさせすぎたのかなと反省はしている。
女性を顔やスタイルでランク付けして失礼なことしてしまったが、坂口さんの性格はドS級。こんな娘見たことない。かわいいことこの上ない。それは僕も告白したいよ~~、勝ちゲームだし……。
「坂口さん、好きです。付き合ってください」っね。
ただ、ひとつだけ、ひとつだけなんだよ!難点があって………
「旦那様とお子様がいる」
これでちゃんちゃんで終わるはずだったんだけれど終わらなかった。
ふたりとももう子供とは言えない歳と立場なのに……、愛ゆえに前後左右上下が見えなくなってしまっていた。
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