月に誘われて

真夜中、三時過ぎ

こもった空気に息苦しくなって

ふと目が覚めた

冷たい麦茶を、こくんと飲んで

何気なく窓の外を見たら

まあるいお月様が、ぽっかりと


月の明かりはどうして

こんなに優しい色をしているんだろう

誘われるように窓を開けてベランダに出る

ひんやりと気持ちの良い

夜の空気に包まれながら

暫し、ひとりでお月見


月の下には街の灯り

あの灯りのひとつひとつに

それぞれの人生と生活がある

わたしの家の灯りも

もしかしたらどこかの誰かが

同じように眺めているかもしれない


そんなことを考えたりしながら

知らない、知ることもない誰かに

そっとエールをおくる


月に誘われて

月の明かりを浴びながら

こうして佇んでいる、あなた


息苦しい時代ですけれど

何とか生きていきましょうね


せめて精一杯、生き抜いていきましょうね

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