第5話使い魔と少女・IV
フォルスの後をおって数分、目にしたのはダークエルフ軍の壊滅した姿だった、
一撃で全てを破壊した光景に、メアリーをチラッとみた僕。
「またやらかした…ごめんみんな」
"ごめんみんな" で済むレベルなのかこれは? 伸びきったダークエルフ、抉り取られた大地、壊滅的という表現があっている。
こうもなるのか、さすが魔族凄まじい力だ。
戦う前に、終わってしまったなぁ。
撤退していくダークエルフ軍の後ろ姿を、僕達は眺めた。
少しばかり期待していた、想像とはかけはなれた結果に納得できない僕がいた。
「メアリー、エルフの希望の光だ」
「えへへ、そんなに褒めても何も出ないわよ」
「そうだぞ、メアリー褒め過ぎると周りの異性が興奮し始めるから」
「ね、ルイス…なんで"興奮" しないのよ? 私そんな魅力ないのかしら」
「うん」
「ガーン! 酷いよ!ルイスのバカバカ!」
「痛い、痛いからやめろって!」
二人のはしゃぎを見ながらフォルスは顎に手を添えて、しばし何かを考えてから顎から手をおろして言う。
「いや、出来ればその…私を仲間に入れて貰えないだろうか?」
「え?」
「君達、子供を見てる権利がある。それに…ルイス、君が少し気になる」
「あ、新手の告白!? た、ダメ! ルイスは私の物だから!!」
「え? あ、そうゆう意味じゃないわよ!?」
「まぁまぁ、フォルスいいのか? エルフ軍の団長で指揮官の役目を誰やるんだ」
「お姉ちゃんかな」
「あー、理解した」
フォルスの姉は、フォルスが大好きで何してもかにしても。妹フォルスの頼み事は、だいたい鼻血を流して喜んでいる。
今回もその流れで、行こうと考えていた。
「認めない」
「え?」
珍しくフォルスの姉は認めなかった。
宮廷内にある玉座で、座ってフォルスを凄い眼差しで見ている。
「お姉ちゃんはね、見知らぬ男とついて行くのは断じて許しません」
「でも、お姉ちゃん知らない人じゃないよ? ルイスだよ、五年前意識を失っていた子」
「あの少年か、あれが時期エルフ王かしら?」
フォルスは慌てて言い返す、さすがにルイスを"恋人" としてはまだ早すぎる。
「お姉ちゃん!? わ、私があのような子とそうゆう関係ではございませんっ!」
「ふむ、フォルスが好きじゃないなら私が婿として貰うわよ」
「なっ!? だ、ダメダメ!! いくらお姉ちゃんでもルイスは渡せないわよ!!」
フォルスの姉は、軽く息を吐いてにっこりした表情で話す。
「まぁいいわ、可愛い妹を旅に行かせるのはやはり姉として…はぁはぁ…」
「お姉ちゃん?」
「はっ!? フォルス、世界を見てきて帰って来たら私に顔を見せてね」
「はい!」
「あと、ルイス」
「へ?」
「妹に子供が出来た報告を嫌でもなくともなくて待ってるから。手を出さないでよ?」
「う、うん…」
「さあ、行きなさい。 旅の無事を祈るわ」
何とか許可を貰えたフォルス、ルイスと共にエルフ城を後にした。
門の外ではメアリーが、寂しそうになっていたので名を呼ぶ。
「メアリー」
「はっ!? この声はルイス!私を襲いに来たのね!?」
「いや、迎えに来たんだけど。 あと服を脱ごうとするな!」
「えー、ケチ」
「ケチじゃない、誰かに見られたらどうするつもりだ?」
「ルイスが隠すでしょ」
「…はぁ、わかってんなら聞くな」
軽いやり取り後、フォルスと次どこへと行くか会議した結果―――。
「南西にある海沿いの街?」
「あぁ、知り合いのエルフもいるだろうし特に困ることは無い。それに"海底遺跡"ってのがある」
「確か名前は"エリメット・オーシャン" 僕が本を見て1番行きたかった場所だね」
メアリーはやはりフォルスの考え方がやはり気になる様子だ。
「フォルス、やっぱりルイス好きなの?」
「違うわよ! わ、私がショタが好きなんて誰が認めた!?」
「誰も聞いてないわよ?」
「あ!? いや、これはだな…!」
「フォルス…」
「ルイス!? 普通、ここは私を助ける場所だろう!!なんで、死んだ眼差しを私に向けるんだ!?」
「いやだってね、そうゆう趣味なんだって」
「あぁぁぁぁぁぁぁ――――!!」
フォルス、精神攻撃により撃沈し静かに地面に倒れた。ルイスは、軽くため息を履いてフォルスを背負い歩き出した。
「こっからどんぐらいだ?」
「えーと、まずは"ホワイト・ミスト"を通り一つの街"騎士団"がある王国を経由して"ステラ・サウンド"を通るから二日、三日はかかるよ」
「ま、マジか…」
草原地帯をただただ歩く、見通しが良くて木々がない。
農道が次第に見えてきて、道筋通り歩んだ。
1つの分かれ道を示す、木製の看板が現れる。
その看板に書かれた時を読む。
←"花園帝国"
→"騎士団の街"
↑"あああああ"
↓"エルフ城"
はて? 何やら1つのだけ違和感がある地名がある、当初の目的通り"騎士団の街"へ進む僕達だったのだが―――。
「ルイスここは?」
「"幻影のクリスタル発掘場" 通称、幻の作業場とも言われていて。いい意味ではなくて、悪い意味で…"死を誘う幻の影"を映し出すって意味だね」
「へぇ…待ってなんでここに来たのよ!?」
「多分、看板の方位が逆に刺した人いるんだろうね」
「あわあわ…じ、じゃあ帰れないの?」
「かもね、方向が待ったくわからないし来た道を帰るにしてもあってるか分からない」
「ルイスと結婚できないで終わるの私!?」
「話が飛躍し過ぎて意味わからないっと、どうやって帰ろうかな―――」
僕達は踏み入れては行けない場所に入って進んでしまった。
後々、起きる"出来事"に後悔する―――。
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