第4話使い魔と少女・III
翌朝、僕が目を覚まして一番最初に見たのは朝日ではなくフォルスの胸だった。
柔らかそうで弾力的な胸に、興味を抱く所かそれじゃないようだ。
ドスッ!
「ぐふぉっ!? め、メアリー足をどけろ」
「んがぁぁぁ―――」
メアリーを刻印から解放しない間、何があったなか分からないが実に"おっさん"みたいな感じである。
高らかに熟睡して寝相が悪い…おっさんじゃんこれ、二年前はさまだ可愛いかっ―――。
「ガジガジ…にくうまうま」
「僕は肉じゃない!! 痛いんだけど!!」
「味が足りませんなぁ」
「肉じゃないからな! てか、メアリー僕の手から離れてよ!!」
僕は腕を振りメアリーはようやく口から手から外れた。
一汗かいたが。メアリーは満面な笑みをして発する。
「いやらしいですぅ…ぐふふ…」
「わざとだろ? 起きてんなら起きろ」
「すぅ…すぅ…」
「寝言にしちゃ、気味悪いな」
サッキュッパスは恋に酔いしれて、異性をあんなことの夢を誘うとか言うらしい。
けど実際、そのような事は起きたことがない。
むしろ使い魔としてティマーした魔物のサッキュッパスの方がやばかった。
考えたこともなかったかも、このサッキュッパスは僕におまじないとして刻んだ"刻印"
もしかすると、僕には効果が得られないんじゃないって思うけど。
ムクリと起きるフォルス、キャミソール一枚で僕が寝る部屋に来て寝ていた。
「……ルイス」
「ん?」
「昨晩はありがとう…」
「え?!」
「貴方の子がやどるのは近いうちに」
「ちょっと待て待て!? いつ、君を僕が犯したんだ?!」
「…あれ? 気の所為だとしても、《今ならできるはず》よね」
フォルスは赤い頬をしていた、僕にせめより生唾をゴクリと飲み込んだ。
心拍数がやたら上がり、ドクドクと耳の裏に響く。互いの吐息が近い、僕も大人の階段をのぼります―――。
「あっ」
「フォルス変な声出さないで」
「いやだっ…て…んっ…」
「ころをこうして…」
「ルイス私…もうっ…」
「あと少しだから…」
「んっっっ…はぁはぁ…」
フォルスは喘ぎ声を出す、しかし僕はかなり冷静だった。いや、だってこれは…僕特製の薬を塗ってるだけであるから。
「"いやらし気分になってきました" なんて言えるかな? これさ傷薬なんだけど…」
「ルイスの傷薬…ほんと効くから…。変な声が出ちゃう…」
「フォルスさん、恥ずかしがらないで。この上変態はメアリーですから」
「ルイス、君も大変だな」
「えぇ、しかし背中綺麗ですね」
「こ、こら! お姉さんの背中をまじまじ見るんじゃない!」
「ごめんごめん…っと」
僕はベットから飛び降りた、朝日が昇る地平線。メアリーは遅れて起きるが、ズボンがストンっと落ちた。
「おはようバンツ、今日も元気かい?」
「うん、元気だよ…恥ずかしいっ!」
「恥ずかしくないさ、ほら今日は白いね」
「あ、そんなに見ないでぇ」
「ふふっ、可愛反応だな―――ってなるかぁぁぁぁ!!」
「ぎゃふっん!!?」
僕は羽織る布切れを、メアリーにぶつけた。
「ボケを継続してくるな? 変態しかしやいような会話じゃないか! こんなの、さっきのやり取りで終わってんだよ!」
「いやだって…見たいんでしょ? パンツ」
「メアリーのパンツは、嫌な程見てきたんだが?」
「きゃっ!」
「きゃっ! じゃねぇよ、さっさとズボン履いてくれよ。戦うんだからさ」
朝日がやや中央に登り、そろそろお昼頃。
気候は晴天、優しい風が吹く、春風だ。
エルフ陣営は緊張感が、走る様に慌ただしく兵士達は走り回る。
「……」
「ルイス」
「なんだメアリー」
「
「弓はな、こう右手前に翳して左手で矢を持つんだ」
「へぇ…、私ならこうだね!」
メアリーは左手には、矢の形をした魔法だ。
赤い色に輝き、構えが美しく見える。
まぁもちろん錯覚、だがなぜだメアリーはズボンの筈なのに"スカート"になってる。
魔力の影響でスカートが、舞い上がってるな。それよりも、魔法で矢を作るなんてやっぱり魔族の一人だよな。
フォルスはそれを見て、外にある的に向けるように腕を掴みメアリーの身体に密着させてた。
「メアリー、
「え? あ、わかった」
メアリーは矢を放った、風を切り裂く音が響き反動でフォルスと共に尻もち付く。
ズガァッ―――!!
大地を捲り、的は粉砕し、背後にある大樹に風穴を開けて遠くで爆発し轟音を馳せた。
おー、これが噂に聞く魔族の一撃か…。
やべぇ…思ったより威力ハンパねぇ。
この一連の流れを見ていたルイスとフォルスは、唖然としてただただ眺めていた。
「えーと…みんな?」
我に返ったルイスは、気が動転してんしたままこういった。
「や、やり過ぎだろうが!? ダークエルフ側に的中したんじゃないか!!」
「ひぇ…私の力の供給源はルイスだから。愛の力?」
「んなわけあるか!!ど、どうすんだよこれ…開戦布告じゃないか!!」
「えへへ、どういたしまして!」
「褒めてないから! フォルスどうするんだよ?」
フォルス、メアリーの体を抱きしめたままである。そのまま立ち上がりダッシュした。
「メアリーをさらうな!? 気が動転し過ぎだフォルス!!ま、まてよ!!」
僕はフォルスの後を追いかけたのだった。
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