異世界で、奴隷下着ハーレムを
長男王子から金貨をぼったくった帰り道、王都のアクセサリー屋に寄った。
店主のチャラいロッド難民は、相変わらず仕事もしないで見習いの青年をからかっている。
「おい!」
「あっ…会長…」
「暇そうだな?」
「いえ…そんな事ないっすよ、忙しいっちゃ、忙しいっす。最近はお客さんも増えてきたし」
「ふーん」
まあ、ぶっちゃけ、この店の売上なんてどうだっていい。
情報収集の為に高級アクセサリー屋を作ったからな。
肝心なのは間者としての能力だ。
もっと店を増やして、いずれはミルド国外でも活躍して欲しいと思っている。
「そんな事よりもコレだ」
俺は金貨の入った革袋を『ドン!』とチャラ男の前に置いた。
すると、チャラ男が『何ですか、こりゃ?』と袋を開け、金貨の多さに仰天した。
「な、な、な、んすか…い、いったいどうしたんすか?」
「あー。何ていうか臨時収入。これで買えるだけの奴隷、買ってきてくれ」
「会長!?」
唖然と俺を見ていたチャラ男の目から涙が一粒落ちた。
それを皮切りにして、あとからあとから涙が溢れる。
「が、がいじょぅ…あ、ありがどう…ございまずぅ…」
やっと絞り出した声でお礼を言うと、しゃがみ込んで、おいおいと泣き出した。
男泣きという言葉がふさわしい。
俺はその様子をしばらく黙って見た。
まったく。
王都にいるロッド人の従業員はクソだ。
俺が支給する、わずかな銀貨を出し合い、チャラ男が奴隷となった同胞を買い集めているのだ。
しかも、俺に迷惑をかけまいと、影でこっそりと行っている。
「相談してくれても、いいんじゃないか?」
「ずびません…」
俺はしゃがんだチャラ男の襟を掴むと蹴りを入れる。
五歳児の脚力なんて、たかが知れているので、『痛いっすよ、会長』とチャラ男にはノーダメージだ。
あーもう。
槍でド突きたいはー。
「早く行け!」
「あ、はい!」
チャラ男は走り出したが、何度も振り返って俺に頭を下げていたのだった。
▽▽▽
チャラ男に金貨を渡して数週間後。
俺は四次元空間を通って王都の工場に移動すると、目の前にミニスカートの集団がいた。
元奴隷のお姉さんに加え、下着開発チームで昔お姉さんだった人も混じっていて、五十人くらいいる。
「「「「「お待ちしていました会長! お好きなだけ御堪能下さい!」」」」
俺を目視すると、ミニスカートの集団が一斉に頭を下げた。
「えっ!? な、なに!?」
いったい何事かと戸惑っていると、女性陣を代表して下着開発チームのババ、いや、昔お姉さんが前に出て『お好きでしょう?』とスカートをチラっとまくった。
あー。
うん。
そうか。
コイツらは忘れていなかったのか。
俺がプロだった事を。
そう。
そうなのだ。
引退してから普通の生活を送っていたが、こんなのは仮初めの生活だ。
国造りとか言って寝る間も惜しんで活動していたが、心のどこかで復帰を願っていた。
俺の右手、ゴールデンハンドはいつも疼いていたんだ…
「い、いいのか…本当に?」
「はい…会長のお心のままに…」
全員がコクリと頭を下げた瞬間、俺は走り出した。
一歩踏み出すたびにスピードが上がり、景色が線を引いたように流れる。
疾走しながら女性の眼前を通りすぎると右手でスカートの端を捉え、高々とまくり上げた。
「赤だ!」
「キャー!」
「シマ模様!」
「イヤー!」
「ちょっと加齢臭!」
「そういう事を言わないの!」
俺のゴールデンハンドが動くたびに、ハラリ、ヒラリとスカートが捲れ上がる。
そう、それは散り行く桜吹雪のような美しいさだ。
「青!」
「いやん…」
「透け透け!」
「ぁ…」
「シミがついてる!」
「あ…も、もう!」
スカートが捲れ上がって元に戻る前に次のスカートを捲る。
これが匠の技。
遠くから見れば常に誰かのパンツが見えている状態だ。
観客を沸かすのもプロのスカート捲り師の大事な務めだからな。
「赤い!」
「ふぁっ」
「ヒモパン!」
「コラ!」
「の…の、ノーパン!」
「ふっ…引っかかりましたね」
くっ。
クソっ。
ノーパンはダメだろ。
俺は卑劣な罠には屈しない。
ドキドキする心臓を無理やり落ち着かせると、次のスカートへと手を伸ばした。
「の、ノーパン!」
「ふふ」
「ノーパン!」
「ふっ」
「ノーパン!」
「はい。ノーパンですよ」
「ノーパン! あ、いや…ヒモ!」
「正解です」
なんてやつらだ。
ノーパンと見せかけて、細いヒモを巻き付けているとは。
こんな卑猥なパンツ絶対に売れないぞ。
まったく、けしからん。
他にもイヤらしいパンツを履いていないか、全員を確かめてやる。
これはメクリ師ではなく、会長としての責任だ!
「うぉおおおお!」
気合いを入れ直してスカート捲りをしようとしたら、『ガスッ』っと腕を捕まれた。
「楽しそうですね、我が主?」
「か、カレン…」
「今日は領内を視察するので、予定が詰まっているとお伝えしましたよね?」
「あ、うん。でも…」
「でも?」
「…」
さすが魔族のカレンだ。
背後から『ゴゴゴ』って字が出る感じの禍々しいオーラを放っている。
その影響のせいなのか、まったく声が出ないぞ。
「もう…こんな物の何が良いんですか? 我が主は変わっていますね…」
そう言ってカレンがミニスカートに手を掛けてパンツを脱ぐと、ホクホクしたブツを手渡してくれた。
「さあ、我が主。娘達を領内に送って下さい。歓迎会の料理が冷めてしまいますよ?」
俺はブツに頬擦りした後、カレンの言葉に従ったのだった。
▽▽▽
カレンのブツは元気の無い時に見て、心に栄養を与えようと思っていた。
しかし、寮で同室の美少女二人に何故か見つかってしまい、またもファイヤーボールの餌食となったのだった。
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