魔王様のいる生活
バブみ道日丿宮組
お題:夏の闇 制限時間:15分
魔王様のいる生活
闇の訪れはいつも突然で僕の大切なものを奪い去る。
「はやく帰ってよ」
「魔王様は自由なのだ」
「自由なら帰るのも自由だよね? ねぇ? ねぇ?」
僕の自由時間は訪問してきた魔王様に全て捧げないといけないということはないだろう。他の生徒の家に行っても何も問題ない。
むしろ僕の家ばかりくる魔王様が悪い。
「ここが心地よくてな。それにお主もおるし」
「抱きまくらの代わりにしてるだけじゃないですか」
「お主だってお風呂でわしの悩ましい肉体を顔見してるじゃないか」
それは隠そうともしない魔王様の仰々しい入浴方法のせいだ。
それにーー、
「でてるところがでてないじゃないですか。僕はもっとぼいんちゃんが好きです」
「おぅ、いうではないか。結構結構好みは千差万別じゃ」
なら?
「でも、わしはお主を気に入っている。安心せい」
何の安心? もしかして就職先とか? 魔王様の夫に永遠就職!?
「何をそんな困った顔をしておるのじゃ。ほら、風呂に入るのじゃ」
すぱぱーんという効果音が聞こえそうな速度で真っ裸になる魔王様。でるところはでてないっていうけれど、魔族の象徴たる角が頭には生えて、おしりの臀部からはクローバーの形をしたしっぽがはえてた。
ちなみに僕は人族なのでそんなややこしいのはついてない。
魔族と、人族のハーフだから人より寿命は長いし、魔力もある。そして偏見もあったのだけど、
「ほれ、行くぞ」
「わかりましたから引っ張らないでください!」
魔王様が学校に訪問して全てを破壊した。
なんでも僕を指名するから絡んでくる人も消えた。闇に消え去ったといってもいい。なにかやろうとしたら魔王様から直々にお仕置きされるのだからね。
夏に現れてから今は春。
もう少しで一年も経つのか。母さんたちは二人っきりのがいいだろうと近くのマンションに引っ越してしまった。
だから、魔王様と二人っきりの生活を続けてる。
文字通り肌と肌がぶつかる性活……を?
「はやく入ってくるのじゃよ」
先に浴室に入った魔王様はシャワーを浴びはじめる。
その背中は少女ということもあって悩ましくないといえば嘘になる光景だった。闇の支配者なのにこんな光り輝くものを持ってるとは誰も思わないだろう。
一部に魔王様ファンクラブなるものが存在するからそういう人たちには刺激が高いかもしれない。けれど、僕はある程度なれてしまった。
「落ち着け、落ち着くんだ」
まぁ……なれてしまっても、反応してしまうのだけどね?
魔王様のいる生活 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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