戦艦の娘

バブみ道日丿宮組

お題:戦艦の税理士 制限時間:15分

戦艦の娘

 自分が異世界転生したんだなって思ったのは、見知らぬ天井だった。

 木目調のものが規則正しく貼られてた。壁も同じ。明かりはロウソクで頼ってるらしく、ゆらゆらと炎が踊ってた。

「あぅあぁうあぅ」

 言葉が文章どころか、文字にならない。

 気に触ったのかと、母親らしき人物が頭をなでてくる。

 とても安心できる行為だが、そうじゃないんだ。この世界の情報をくれないか。

 そう考えながら、数年が経った。

 街の構造、日の名前も、すぐに本から読み覚えることができなかった。おそらく日本ではないのだろうが、翻訳スキルで日本語に翻訳された。ちなみに会話も全部日本語に聞こえ、喋る言葉がその動物のものになるらしい。

 だからこそ、飼ってる猫と、牛、馬とはすぐ友だちになれた。

 さすがに頭が変わってる人に思われてるが、彼らの知識は人の本にないものだ。九州できることがある。


 そして転機がやってきた。


 なんと父親が戦艦の艦長に抜擢されたのだ。

 条件に娘を連れてくというものを言い渡したらしく、家族会議はかなりの時間発生してた。

 何を話してるぐらいかはわかるが、口を挟むのはやめておこう。利口と思われるかもしれないが、悪魔の怪物と思われるのも困る。

 数日の会議の結果はーー娘を同艦させるとのことだ。

 戦艦で仕事をしてもらうために、何かをさせようと、お役人たちがいろいろな物を持ってきた。料理は父親が止め、教育者に対しては医者が止めた。

 あーでもないこーでもない。

 たくさんの実施が起こる。

 最終的には一番点数が高い税理士になることになった。

 税理室にはいろいろものと、寝具があり、ここでいろいろ仕事をしてもらうということだ。

 で、他にも仕事はある。

 わざわざ私を指定した理由がこれだ。

「せんせーい難しい」

「大丈夫。私も最初の頃は難しくて嫌になったから」

 会議室に集まったのは、技能が高くて若い子どもたち。その子たちの指導が本当の私の仕事ということであった。

 学があるのはほとんどおらず、関わってこれなかったなど、理由は様々だ。


 だから、私はここで税理士と先生という、似つかない仕事をすることになった。

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戦艦の娘 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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