第5話 恥じらいの乙女

うちは玄関の側にトイレがある。

たまに、お客さんが来る。

たまに、玄関で長居するお客さんがいる。


トイレの近いわたしは、おしっこを我慢しなければならない。

決して、お客さんが居る間、トイレに行ってはいけないと、家族に言われてるわけじゃない。


わたしが恥ずかしいからだ!(くわっ)

お客さんが話してる最中に、ジョーっておしっこできないじゃんっ!?

(わたしは、そういうとき、心のなかで、早く帰れ、早く帰れ、と呪文を唱えている)


おしっこならまだしも…。

う◯この場合は、本当に地獄である。

ひたすら腹痛と戦って、お客さんが帰ったら、すぐにトイレに入る。しかし、そのトイレこそが真の戦地である…。かーん。


で、

で、

わたしは、トイレの排泄音を家族に聞かれるのもものすごく嫌で仕方ない。

だから、子どもの頃からよく、トイレが真横の部屋を自分の部屋にしてもらっていた。


だって、恥ずかしいもん。

兄弟がよく家に友達を呼ぶから、お腹よく壊すから、トイレが真横の部屋は、絶対に、どうしても譲りたくなかった、子どもの頃のわたしだった。

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