第5話 私の為に
主任の植草の話では、新井はさくらが外出した直後に久保田課長に歩み寄りその場で
「課長、おかしいですよ。東山の頑張ってる姿、ずっと見てましたよね。
先程の担当者変更は明らかにやりすぎです。 提案のサポートは私がやります。担当者変更は撤回してください。」
「新井課長代理、お前は何も分かっていない。NS商事だぞ。NS商事の山本社長から ”期待しているから宜しく頼む”と言われたんだぞ。東山の薄っぺらい提案で期待に応えられるのか。」
「ですから、提案については私がサポートします。」
そう言って譲らない新井に対して久保田はキレ気味に言った
「何を偉そうに言ってる。調子の乗るんじゃない。自分の仕事をキッチリこなしてから言え。」
実は、新井は本店営業部では勿論、全店の課長代理級では非常に優秀な者の一人であり、来期には同期の中でもトップで課長への昇格が確実視されていた。
そんな新井は乱暴な久保田の言葉に対し、
「私の仕事についてのご指導は別途受けます。
東山の扱い者変更について撤回の検討をお願いします。これは課内の問題ではありません。全店営業員の士気に関わる問題です。」
「何度も言わせるな。何を偉そうに言ってる。課の運営は課長である私に責任の所在がある。会社として最大パフォーマンスを考えた場合、お前の主張する結論にはならない。」
全く、譲ろうとしない久保田に対し新井は空気が凍るような一言を放つ。
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