「雲行きの怪しさ」2021年6月15日夕方

携帯を確認すると、母さんからラインが来てた。


『弁護士に会いにいくのに、どこまで行くの?』


「稲宮市街の駅前」


『法テラス?』


「弁護士事務所」


『そっか』

『彼の過去を興信所に調べてもらうって言うのはどう?』


「それも弁護士に相談」


『それも考えていたんだね』

『舞子を黒木駅までお迎え行ってくる』


「とりあえず、舞子は帰る時車に待機だね」

「ヤバかったら、アパートに来て」


急に休んだから、アイツは実家を探ってた可能性がある。


『私が先に入るわ』


「今の段階で新居はマズイ」


『おk』

『今、電車停まった』

『ヤバそうだったら、連絡するわ』


「物が散乱したり、異変を感じたら避難な」

「すぐに電話できるように準備な」


しばらくして母さんからラインが来た。


『家に入ったけど、なんの変化も無し』

『いつもみたいに、イビキかいてテレビつけっぱなしで寝てる』


「、、、よかった」


『大丈夫かな、たぶん、緊張の瞬間』


「クローゼットとか、見た形跡なし?」


『前に置いてあるぬいぐるみの積み方、変化ない』


「ならたぶん大丈夫」


『ヒヤヒヤした、、、舞子を車から呼んでくるね』


「明日を乗り切れ!」


『おk、頑張る』

『あさって、彼が会社に行ったら、荷造り開始』


「だね」


『彼が起きたけど、態度の変化無し』


「そろそろ時間だから、行ってくる」


聞きたいことリストを持って準備万端だ。

しかし、西の空で雲が光ってる。雷雲だろうか?

少しの不安を抱え、弁護士事務所に向かう。

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