「あれからもう9年か、、、」2021年6月1日夜②

母さんに変わったのか、数分間ラインが止まった。


『お兄ちゃんとカラオケに行きたいって』


「いいよでも、今、休業?」


『いつかね』


「俺も好きやし、カラオケ」


上手ではないけど、好きでもいいよね、、、


『舞子、行く気満々だよ』


「休みの日なら、付き合う」


『行く気満々は、新居』


「そっか、ならよかった」


引っ越すにあたって一番の懸念がなくなった。

引っ越しの、逃げるための準備の相談をしばらくした。


『猫って飼えるかな?って、舞子が聞いてきた』

『mytubeで猫動画、よく見てるんだよ』


「飼えるちゃ飼える」

「けど家の目の前が道路だから、出さんようにしないと、、、」

「飼うなら基本一階は窓開けない方がいい」


『やっぱり松広だと、目の前が道路のところ多いだろうなとは、予想してた』

『ところでさ、駐車場ある?』


「あるよ、スペース的には1台のみだけど」


『今の車、彼名義なんだよね、、、どうしようか?』


この際、車を買うか、、、とお金が足りるかどうかを頭の中で計算した。


『とりあえず、持ってくものリスト作るわ』

『まさか、こんな形でここから去るなんてね』

『この秋でここに引っ越してから9年になる、早いわ』


「だね、、、早かった」


実父と離婚して9年、アイツと母さんが出会って7年、あっという間だった。


『舞子が引っ越すの楽しみだって』


「そうか1番の懸念がなくなった」


『お兄ちゃんとまた、一緒に暮らせるの?って、喜んでた』


舞子の笑顔を想像して、少しニヤッとしたのはここだけの話だ。

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