2→7「海賊騎士同盟」
「スワンそのパーカーなによ、ドラゴン柄? めちゃ子供っぽい」
「鎧を外せたら着るって約束したからいいんです」
「女からのプレゼントだね、でも見た目が子供だから似合ってる」
同盟締結後、僕らは
エレミリアがくれたドラゴン柄のパーカー、鎧を外したのでようやく着ることができる、寝間着にならなくてよかったなドラゴンパーカー。
「しかし肩を並べて戦うことになるとはね」
「紺も想像つかなかった」
今話してるのは海賊淑女ことリーケッドさんと一緒に屋敷を襲撃した二人のメイド。
「しかしスワンってめんこいな~、母性本能くすぐられるな」
僕の頭をゴシゴシ撫でる和服風のメイドが
「あんなまり身長かわんないし、紺のほうが低い」
ジト目でこちらを見ている子は
「ありゃ紺ちゃん焼きもちかな、心配いらっんすよ、うちの一番は紺ちゃんだから!」
「うっせ離せ、暑苦しい!」
紺さんに絡みつく朗さん、仲がいいんだなこの二人。
「作戦の説明をしますわよ、皆集合してください」
船員達はリーケッドを中心に円になって座っていて自分もその中に入り込む。
「まず屋敷を陣取っている黒史聖剣団の詳細から説明していきます、スワンからの情報提供と周辺で集めた情報を合わせると、聖剣使いが二人、その他騎士が数百名」
「聖剣の魔法はどんなのか判明してるんっすか? そこがわかれば戦況はだいぶ変わってくると思うっす」
「敵の聖剣の魔法についてはスワンが説明しますわ、お願い」
指名を受け立ち上がる、凄い数の人間の視線が集まる。
いやいやビビるな、せっかく力を貸してくれてるんだから。
「敵の聖剣の魔法は、一つはあらゆる物の大きくできる魔法、もう一つ使い手の行動速度を大幅に上昇させるものです、以上です」
どうにか話せた、上手くいったよな?
「ハイハイ質問いいですか、スワン君は年はいくつですか?」
「えっと十八です、見た目はこんな感じですけど」
何この質問、話が噛み合ってないような。
「ハイハイ質問いいですか、スワン君は精通してますか?」
先程とは別の船員が質問する、やっぱなんかおかしいぞ。
「一部の船員が合法ショタを前に盛り上がってますね」
横にすわる朗さんから不穏なワードが飛び出す、なんだよ合法ショタって。
「うちの船員の大半は性豪でね、女の子オンリーの奴とどっちもって奴もいるんだよ」
「合法ショタなんてもう最高の夜のお供、スワンは今日大人の階段を登ることになるね」
紺さんまで怖いこと言い始めたんですが、僕はヤバい人達と同盟を組んでしまったのかもしれない。
「は〜い皆さん合法ショタを楽しむのは戦いの後にしますわよ、作戦は……」
部隊を二つに分けるらしい、僕とリーケッドさんのチームと朗さんと紺さんのチーム
同時に屋敷に突入し僕とリーケッドさんチームがエレミリアの奪還、朗さん紺さんチームが敵を引きつけ、後に合流して黒史聖剣団を撃退する手筈になった。
「それで行きますわよ、覚悟はよろしくて?」
戦いが始まる、上手くやってみせるぞ。
ーーーーー
「さて屋敷の前までやってきましたわね」
夜闇が深まった時間、僕と海賊達は屋敷の前に来ていた。
時間が時間なので辺りに人はおらず、こんな大人数で行動しても目立たなった。
これから奇襲をかけるので好都合。
「それじゃ………おっ始めますわよ!!!!」
バカデカい号令と同時に空砲代わりと言わんばかりにマスケット銃を乱射する、そんなことしたら。
「なんだこの銃声は、なんだこの数のメイド達は!」
屋敷から無数の鎧の騎士達が飛び出してくる、今の銃声と声を聞きつけやってきたのだ。
「あの騎士がぞろぞろやってきてますが、いいんですか、奇襲とかしないんですか」
「しません! さぁ正面から行きますわよ」
屋敷に突入するレーディン海賊団、迎え撃つ騎士達、屋敷の庭で衝突する。
「船長、スワン今のうちに屋敷の中に」
「恩に切ります、私達は屋敷内に突入しますわよ」
庭と同様、屋敷内にも無数の騎士達が待ち構えていた。
「その聖剣……せっかく助かった命をまた捨てにきたか」
騎士達の先頭に立つ男、僕の兄であるアデリー・パラディナイト。
「命を捨てにきたわけじゃないさ、兄さんを止めてエレミリア達を助けにきた!」
聖剣に魔力が宿る。
鎧のセーブがないせいで軽く流した筈が、聖剣が異常な程に輝く。
不味い魔力がコントロールできない、魔力が溢れ出して身体に逆流してる。
逆流した魔力が皮膚を破り体外に溢れる。
「負けて……たまるか、コントロールしてみせるぞ!!!!」
エレミリアを助けて兄さんの目も覚まさせる、こんな所で止まってられるか。
落ち着け、落ち着け、魔力量を少しずつ落とすんだ、そして魔力を聖剣だけに集約するんだ。
止めどなく溢れていた魔力は聖剣の周りにのみ集約する、コントロールに成功した。
なら次は!
チェーンベールから魔力を放出、その推進力で目にも止まらない速さで兄へと接近する。
ズッッッッガン! 紫の一閃が轟音をまき散らしながら鋼鉄の鎧を破壊する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます