第4話

退職に向かう。

選択肢を与えられたので、本当のところ、命のことを考えた選択をしただけだった。

それを後から、ああすれば、こうすればと言われたくはなかった。

「悩みがあったら相談して。」と、言葉を掛けてもらったが、俺はただの一度も相談しなかった。

そして、それが正解だったのだと感じている。

その人のことをサイコパスかもしれないと思うと、自分もそうなんじゃないかと考える。


嫌いな人に不幸が起こることを願って自分が幸せになろうなんてことは、考えたくないし、考えるべきでもない。

どんな人に対しても幸せを願うことが道徳的には正しい。

しかし、後者よりも前者を選んでしまうところで、やはり俺は偽善者なのだと思う。

結局、職場の人から、「~してあげる」と、いう言葉を聞くと辟易してしまいやすいし、そこから恩着せがましさを感じてしまうので、自分は社会のはぐれ者だ。

「賢い」には、悪意(上から目線の考え)を感じ取ってしまう(そうではないかもしれないが)ので、俺は子どもたちを"鼓舞する"("褒める"という表現をするのは好きではないので)場合は「凄い!」と、しか言えていない。

人間というのは本当に難しいし、それを考えながら仕事をするというのは、精神的にかなり疲弊する。


現職に勤め初めの頃は昼用の弁当を準備して持っていっていたが、一ヶ月もしない内に昼飯を外食にした。

居心地の悪さを感じ、彼女たちから逃げるためにそうした。

職場に戻って休憩時間があると、即、目を瞑って寝っ転がるのがお決まりのパターンだ。

関係を築かない関係で、色々と気を回しながら雑談をするとしたら、休んだ気にならないためだ。

以前、その人たちの一人に信頼関係を構築すべきだと説教をされた際は、「信用していません。」と、言ってしまったところで(無意識にでも言う言葉ではなかった)、その人が泣いたこともあり、それも影響していると思う。

自分が悪いことは分かる。

選んだ責任がある。

気持ちも体調も安定していないので不安だからといって、背を向ける訳にはいかない。

最終日までしっかりやろう。























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